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記事で巡る世界旅行

P1180912 (2).jpg

教室の後ろにある大きく印刷された世界地図
毎週,木曜日は新聞紙面から,海外の国々に関する記事を選び出し
地図上に貼る作業をしています。

今回,子どもが見つけた記事は
2010年11月9日付の読売新聞に掲載された
カリーニングラードに関する記事です。

哲学家 カントのふるさとでもあるこの地ですが
子どもたちには,あまり関心が無いのも仕方ありません。

では,地図帳で探してみよう!!

P1180918 (2).jpg

なかなか見つかりません。
記事の内容から
「ヨーロッパぽいぞ!?」
ということで,ヨーロッパをくまなく探すと
ありました!!

バルト海とポーランドとリトアニアに挟まれた場所に見つけました。

「記事にロシアって書いてあったから,ロシアの中を探していたのに
こんなところにあるなんて・・・」
P1180929.jpg
P1180934.jpg

「どうして,こんな飛び地になったの??」

子どもたちの疑問は深まり
いろいろ歴史について調べてみることになりました。
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昔から戦争のたびに,様々な国に属してきたこの地
名前も旧ソ連の時代にケーニヒスベルクから名前が変わった
カリーニングラード

その歴史や人々の暮らし
現在抱える多くの課題
そして,それらがもたらされた理由

小学生にこれらについて答えを求めるのは
難しかったのですが

なぜ,そういうことになったのか
興味を持ったくれたようです。

新聞記事を通して,世界が身近になってくれれば幸いです。

新聞には必ず,国際面があります。
この国際面を活用した取り組みも
今後考えて行く予定です。

一つの記事から疑問が生まれ
子どもたちの世界が,地図のように大きく広がります。

図書集会でNIE

NIE
ewspaper ducation
教育の中に新聞のよさを活かす取り組みです。

ここで大切なのは
「活かす」ということ
決して主役ではないのです。

4番バッターではないけれど
選手登録をして,ベンチに入れておけば
代打としては使えます。

しかし,この代打
勝敗を決める大事な場面でよく登場します。

今回の出番は,図書集会


「本に親しもう」
から少し枠を広げて
活字に親しみ,世界に興味を持つことで
読書に対する興味関心を高めようという取り組みです。

読書推進には,別に本だけが有効なのではありません。


はぁ~い 今日は図書集会です。
みなさん,この集会をきっかけに
本に関心を持ってください。

いつもの本の紹介かぁ・・・
と思ってる子どもの目の前に!

いきなり新聞を広げます。

さぁ グループで制限時間内に
どれだけ紙面から国名を見つけられるか競争です。

よぉ~い スタート!!

新聞にかぶりつく子どもたち
隣のグループには負けられません。

私が勤務する日本人学校は
全校児童生徒20人ほどの小さい学校です。

小学1年の子どもが,中学生にたずねます。

「ねぇ バンコクって国の名前??」

「違うよそれは首都名っていって,国の名前じゃないんだよ。」

そんなやりとりをしながら紙に書かれる国名の数がだんだん増えていきます。
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新聞には,様々なページがある。
これを面と呼びますが

ある子どもが,ふと気づきます。

「あれ? このページにはたくさんの国の名前がある!」

そうです。それが,国際面です。

情報を仕入れるには,様々な方法があり
効率よく手に入れる手段あることを
ここで子どもは学びます。


それでは,終了
みんなが書いてくれた国名で
一番多かったのはどこですか?
数を数えて,そこの国を地図で探してください。

どのグループが一番早いかな?

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さっそく数える子どもたち

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次々に世界地図に群がります。


先生! 新聞って,世界のことがたくさん書いてあるんですね。

そうだよ。
新聞を読むと,世界中のことが分かるんだ。

興味が湧いた国はあるかな?

今度,図書室に来るときに
外国の本を読むといいよ。

本には,日本文学もあれば外国文学もあるんだよ。

読書は自分の感性を広げます。

新聞は,私たちの可能性を広げます。

新聞も図書の仲間に入れてみてはいかがですか?

1時間目がはじまるまでの朝の時間で行われた図書集会
図書室の本たちが,
新聞を通して,子どもたちの目に
今までと少しだけ違って見えたらうれしいですね。

コラムを書こう(PREP)~後編~

さぁ いよいよ実践です
PREP法を用いたコラムの作成

起承転結のときと同じく
4段落で構成します。


とその前に…
まずは肩慣らし

PREPとは何か
実践で身につけます。

あなたの前に大好きな人がいます!
その人に,PREPを用いて告白しましょう

↓生徒の解答です
P(Point)
要点
「私はあなたのことが好きになりました。」
ズバリですね! 言いたいことそのものですね。

R(Reason)
理由
「あなたは,このあたりの男性の中でひときわ輝いていたからです。」
好きになった理由がしっかりと述べられています。

E(Example)
具体例
「私は,今までたくさんの男の人に出会ってきましたが
あなたのような素敵な方は初めてです。」
具体例が光ります!
少数の中の一番ではなく,多く男性の一番に君臨する
といったところが男性の自尊心をくすぐります(笑)

P(Point)
要約
「私があなたのことを好きという気持ちはずっと変わりません。
だからお付き合いをお願いします。」
好きであるということを念を押し
さらに,お付き合いをお願いする。
この恋うまくいってほしいものです…

とお遊びはここまで

PREPを実践を通して子どもたちに掴んでもらいました。

さて本番
運動会を題材にコラムを作ろう


最初に,自分の言いたい結論を述べる。


次にその理由を述べる。


具体例,実例,事例を挙げる。


最後に,もう一度自分の言いたいポイントを繰り返して締めくくる


今回の例では

第①段落は…
運動会で感じたこと,学んだこと,一番伝えたいこと

第②段落は…
なぜ,そう感じたのか?なぜそういったことを学ぶことができたのか?
なぜそれを伝えたいと思ったのか?

第③段落は…
そう感じた具体的な出来事,学ぶに至った具体的な出来事
伝えたいと思うようになった具体的な出来事

第④段落は…
①~③を含めて,最後にもう一度自分が(感じた,学んだ,伝えたい)
ことを要約する。その際,具体的なキーワードを出すなど
読者の心に残るひと工夫をする

ということで生徒が書いたものがこれです↓
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▼みなさんには忘れられない素晴らしい思い出はあるだろうか。
僕にとっては,今年の運動会。それも,集団演技である。
▼なぜなら,今年はこれまで感じたことのない達成感を覚えたからだ。
自分たちで作ったものを成功させたときの達成感ほど強いものは無い。
▼僕が担当したのは,組体操であった。人の配置を考えたが,抜けている
場所がある。みんなを上手くまとめられない。バックに流す曲の長さが
合わない。僕は,様々な失敗をした。そのたびに先生や友達が指摘してくれたり
手伝ってくれた。失敗するたびに一生懸命になったのだが,
本番前の最後の練習も失敗した。しかしながら,本番は
なんとすべて成功することができた。
▼思い出は星の数ほどあるが,今年の運動会の集団演技は
その中でも僕の忘れられないものになった。

いかがでしょうか…
起承転結型のコラムは以前紹介しましたが
参照
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-11-12
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-11-17

PREP型も意外と簡単に書けるものです。

このPREP型のコラムを書く訓練をすると
スピーチが上手になります。

私のクラスでは,毎朝1分間スピーチをおこなっていますが
子どもたちは,完全にPREPをマスターしてスピーチに生かしています。

1分間という時間の中に,結論とそれを説明する理由
そして具体例が,きちんと順序良く並べられています。

起承転結型でも話はできますが
PREPの方が簡単ですね。

あとは,周囲の関心を引きつける話にするために
E(Example)の部分に力を入れれば

魅力あるスピーチ(コラム)ができあがります。
あとの部分はたいてい予想が出来ますもんね。

しかしながら,具体例は自分しか語れない部分です。
だって,自分しか知らないことですから

だから,他人は知りたがる

人々の印象に残るスピーチ(コラム)を残すコツでもあります。


まずは,型を提示して4段落で書かせる
方法はいろいろあります。
文章を書かせる前に,4コマ漫画にして
視覚化させるのも面白いかもしれません。

大切なのは,量をこなすこと
そのためには,子どもたちにとって
とっかかりやすいものがいいですね。

一度PREP法を用いたコラムの作成

試してみてください。

コラムを書こう(PREP)~前編~

さて,またまたコラムに挑戦してみます。
前回は,起承転結を用いたものでした。

今回は,PREPです。

PREPって何??

ご存知の方もいらっしゃると思いますが
確認の意味も込めてもう一度

そうです。
プレゼンなどでよく使われる手法です。

シンプルかつ強烈に自分の言いたいことを伝えることに向いています。

では,簡単にその中身を紹介します。
P(Point)
要点
最初に,いきなり,自分の言いたい結論を述べます。

R(Reason)
理由
ここでは,そういった結論を導き出した理由を述べます。

E(Example)
具体例
ここがセンスの見せどころですね。
なぜかというと,自分しか語れない部分だからです。
一つ前で述べた理由を支える具体例
理由と結論は,誰が答えてもあまり変化はないかもしれません。
しかし具体例を導き出す経験は,その人しか手にしていないもの
だからこそ,話に新鮮味を出します。

P(Point)
要約
再び結論に戻り,それを補うようなことを全体を要約して書きます。
さらに念を押すといった感じですね。



以上がPREPの基本形です。

これは,入試の面接などでも使えます!

「中学校生活の中で,一番印象に残ったものは何ですか?」

「はい それは,3年生のときに行われた文化祭の運営です。」

「今まで,人の前に立つことのなかった私が,人を動かすというのは
 自分にとっての大きな挑戦でした。」

「毎日放課後,学校で何度も話し合いを持ちました。
 しかし,日頃から引っ込み思案の私は,そこでは
 その場に いるだけの存在でした。 しかし,ある日
 思い切って,文化祭のオープニングについて
 海水パンツでダンスを踊ることを提案しました。
 私は,文化祭にかける思いをみんなに打ち明け
 そのリーダーに自分がなることを立候補しました。
 その時,いつも私を馬鹿にしていたクラスメイトが
 一人拍手をして立ちあがりました。
 私の足は,立っていられないほど震えていましたが
 その拍手は,私に勇気をくれその後も夢中で
 話し続けることができました。」

「文化祭は,僕にとって宝物となりました。
 挑戦することで初めて,自分を成長させることができます。
 貴校に入学にできたならば,私は生徒会活動にも
 力を入れていきたいと思っています。」


いかかでしょう?
起承転結とは,また違ったシンプルさが特徴です。
これは,順序が大切です。
プレゼン時での有名な手法の
SDS法(Summary【全体要約】‐Details【詳細説明】‐(Summary【全体要約】)もPREP法も
共通しているのは,最初と最後に結論を出すことです。

プレゼンは,多くの人に何かをアピールするためにおこなうものです。
だからコラム作成にて,ここで使われる手法を用いることは
ピッタリというわけです。

新聞記事の書き方
結論→概要→補

これもPREPに順序が似ていますね。

「結論→概要→補」の典型的な例
新聞のベタ記事やニュース性の低い記事などがまさにこれ
私のNIE授業を取材した新聞社の記事を例にとると
(結論)新聞を用いた授業がありましたよ。
(概要)新聞を授業に用いることで授業者はこんな効果を期待しているそうですよ。
(補1) 授業を受けた子どもは,「○○…」といった感想を語っていましたよ。
(補2) 今年は,あと数回この授業をするそうです。

こんな感じになります。
(結論)だけでも十分伝わるが(概要)もあれば,もっと分かる
(補)で授業を受けた子どもの,生の声もできれば聞いてみたい。

新聞の原稿締め切り間際に,大きなニュースが入ってきても
最悪これらの記事の最後を削れば,意味は伝わり
新しいニュースのスペースも空くといった具合です。

PREPは
これらの記事の最後に再び,結論を印象付けるまとめを付け加ものです。

(結論)(概要)(補1)(補2)
+(要約)
NIEの授業は子どもにとても効果的だから
みんなも実践してみてね。

ニュース記事としては,少々くどいですが
コラムとしては,言いたいことがよく伝わるので利用価値があります。



PREPは,様々な場面で使えます。
まずは,PREPを意識しながらコラムを子どもたちに書かせます。

後編は,その実践をお届けします。

ネット記事の活用(道徳編)

国内では,自宅に届けられる新聞
そして,同僚にわけてもらう古新聞

そういったものに目を通しながら
授業のネタ(記事)探しをしたものです。

しかしながら,ここは海外
なかなか国内同様というわけにはいきません。

ということで,前回お話したネット記事の利用法


今回は,具体的な実践を紹介します。

コラムの比較で登場したイチロー選手の記事
(参照 http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

ここでは,同じ事実を取り扱っているコラムの違いを読み取り
自分がそれを気に入った理由を発表させました。

そんな記憶も子どもたちにとってまだ新しい時に
今度は,松井選手のMVPのニュースが入って来ました。

今回も47ニュースで記事を入手
このサイトはトピックという欄があり
道徳に使えるネタもたくさん転がっています。
47トピックス.jpg

毎日必ず目を通すこのサイト
私にとっては,日本で数社の紙面を広げていたこととまったく同じです。

しかも,便利なところは欲しい記事を数社にわたって容易に入手できる。


さっそく,子どもたちにこのトピックから検索させて
松井選手に関する様々な記事を読ませました。
P1070613.JPG

見出しを入り口に記事をクリックしながら読んでいく子どもたち
P1070616.JPG
とても真剣です。

いろんな新聞社の記事を読みます。
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イチロー選手のコラムの読み比べ同様
心に響くポイントが記事によって異なるようです。

数ある記事の中から気に入ったものを選びます。

「この新聞社は,松井選手のこういったところにスポットをあてている」
といったことをお互い発表しあいます。

以前にも記事の読み比べには経験があるので
今回は,慣れたものです。

しかも,今回は「自分」というものを意見の中に入れています。

「私は,○○だから,松井選手の○○といったことが書かれた
 ○○新聞の記事に心を惹かれました。」

記事の中に「自分」が入りだしたとき
新聞の道徳の教材としての利用価値が上がります。

「松井選手はすごいなぁ~」
ではなく
「松井選手は,○○だからすごいなぁ~」

この○○だから
というところが,自分を記事の中に投影しないと出てこないのです。

多くの記事の中から,その「なぜ」すごいのか…
を子どもたちは少しずつ掴み始めます。

そして,その後お約束のコラムの読み比べ

↓これが前回のイチロー選手の時のもの
朝日・日経・読売コラム読み比べ(イチロー).pdf

そして,↓これが今回の松井選手の時のもの
朝日・日経・読売コラム読み比べ(松井).pdf

野球という舞台で成功を収めた二人

二人に共通するものは何か?

松井選手の記事から心に染みた言葉を抜き出します。
「忍耐」夢をあきらめない
「自分を裏切らない」理想を壊さない
「有言実行の覚悟」自分への責任
「挑戦」まずは,具体的に行動する

一方イチロー選手は?
「同じことをずっと続ける」忍耐力
「自分は天才ではない」努力を怠らない
「かっこいいを目指すのではなく確実に」初心を忘れない

性格も生きてきた道も違う二人ですが
何か同じものを感じます。


そこで記録達成の成功の秘訣を子どもたちに考えさせます。

題して
「成功者の隠された秘密を探ろう」
~明日からあなたも,人生の勝者~

サブタイトルの勝者について誤解があるといけないので少し説明…
私は,人生に勝ち負けはあると思います。
勝者は「自分の人生に胸を張って生きている人」
敗者は「人の人生を妬み,羨んで生きている人」

だから,みんな勝者になれるのです。
人との勝負ではなく,自分自身を満足させれるかどうか
という勝負ですね。勝負し続けている人は,間違いなく
自分の人生を歩んでいるひとでしょう…
だから,勝負をしてる時点ですでに勝者なのです。



それを,二人の成功者の記事から感じてほしい

ということで,↓このワークシートを作りました。
成功者の隠された秘密を探ろう.pdf

秘訣を発見したのち
22年後の自分を想像する

実は子どもたちにとっての22年後は,
松井選手の年齢です。

自分が,その年齢に達した時
どんな人生を歩んでいるか
想像させるます。

もちろん「勝者」として


「負け組み」なんて,自分の人生を生きている限り
存在しないのです。


そして最後は,
「22年後の自分が新聞に載るとしたらこんな記事で載りたい!!」
ということを考えながら,記者になったつもりで自分の記事を書かせます。

その中に,ちゃんと自分の人生の成功の秘訣が,書かれています。


あとは,これからの人生でそれらを実践するのみです。
そうすれば,記事は現実のものになるはずです。

子どもたちは真剣だけれども楽しそうに鉛筆を走らせます。
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自分たち子どもには,
「これからの生き方次第では無限の可能性と輝く未来がある」

それに気づかせてくれる松井選手の記事です。



そんな道徳の実践をおこなった数週間後

松井選手の移籍の記事が同じく47ニュースに出されました。
今のチームへの残留を希望していた松井選手
速報なので,彼のコメントは載っていません。

さっそく,子どもたちへ宿題
「松井選手は,何とコメントしただろうか?」


驚きました。
翌日,記事として出された松井選手が実際に出したコメントと
全員,内容が同じだったからです。


なぜそう思ったのか理由を聞くと…
「だって,たとえ希望していない移籍であったとはいえ
そんなことで後ろ向きになる松井選手ではない。
彼が成功した秘訣は,ひたすら挑戦し続けたことだから」
という答えが返って来ました。

すごいね松井選手は…
でも,君たちも同じなんだよ ひょっとしたら
「22年後には,彼のようなセリフをはいているかもよ」

子どもたちの顔には笑顔が…


たかが,新聞記事ですが
道徳の教材として立派に活用することができます。

新聞記事は,子どもたちにとってタイムリーというのが良いですね。


これらの素材に気づくためには,日々新聞に目を通す必要があります。
一見面倒臭いと思われるこの作業

ネット記事を用いると楽にできます
国内の場合は,そこから紙面を取り
記事を切り抜くこともできます。

ネット記事
ものは使い様です。

NIEは,何も紙面だけを用いた実践ではありません。

ネット記事は,宝の宝庫です。

手段は,どうであっても
教師が,情報を常に手に入れておくということが大切ですね。

ネット時代のNIE

新年明けましておめでとうございます。

今年もNIEに取り組みます!!

NIE(Newspapar In Education)
教育に新聞を

つまり,新聞を教材として活用していこうという取り組みです。
初任校で私は,これに出会い
楽しさも加勢して,今まで実践を続けています。

ということで,今回は
私が日頃,教材の1つとして捉えている新聞の今を見つめてみることにしました。


現在,海外に赴任中の私
ここでもNIEは,子どもたちにとって非常に有益な活動です。

その理由は以前にここでも触れました↓
「スリランカメディアの現状から生まれるNIE 」http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-04-15
「真実とは??? 」http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-04-16



そんなことで,任国スリランカでも,私はNIEを実践しています。
しかし,ここで困ったことが起きてしまいました。

そうです…
手元には,活用しようにもわずか1社の新聞しか無いのです。
しかも海外とあって購読料が高すぎます。

同僚の先生にお願いして比較的新しい古新聞を集めて
数紙の読み比べなどをおこなっていた日本国内とは状況が違います…



ということで,私が目をつけたのは
ネット配信記事
海外でも,インターネット環境にあれば
各紙の記事を入手することができます。


手にとって読むものであった新聞は
紙媒体の購読者数減少に歯止めがかからず
ネットの世界に進出しています。

ご存知のように,グーグルやヤフーのトップ画面で見かけるニュースの
ほとんどが新聞社の取材によるものです。

ネットに流れる記事

新聞を教材として用いるNIEも
これにより,新たな取り組みが考えられるようになりました。

紙媒体からデジタルの世界へ
教材としての新聞も手に取れるものから
そうでないものに変化をしています。


今後の新聞界の動きによっては
我々実践者もその活用法を新たに生み出していかなければいけません。

スリランカでの私の実践は,
ネットNIEという新しいジャンルのものと考えています。



では現在,ネットの中の新聞はどのようになっているのでしょう。

これには,どうも2つの流れがあるようです。

1つは,「詳細は紙面で」という紙媒体優先の姿勢
詳しくは紙面を読まないと分からないという
紙媒体に読者を呼び込む入り口としての役割です。
そしてもう1つは「ウエブ・ファースト」という捉え方で
スクープなどをネット優先で全文を流し,
紙面では特集などを充実させるという流れです。

しかし,最近では,これらも混在してきて
両面を持っているケースも少なくありません。


いやぁ~ 最近の新聞社のホームページもかなり充実しています。

そんな中,複数の新聞社で共同運営するサイトも出現しました。
日本経済新聞,朝日新聞,読売新聞という
激しい競合関係にある全国紙3紙もネット事業で提携をしています。
「あらたにす」という一面紙面の読み比べサイトもこれの一環でしょう。
また,全国47都道府県・52の新聞社と共同通信の内外ニュースを載せた
「47ニュース」もそのよい例ですね。
47都道府県で52の新聞社
都道府県の数より新聞社数が勝っています
ここでも,同一地域で競合関係にある新聞社同士が同じサイトに
記事をアップするという現象が起きています。
利用者としては,これはとても便利です。
  ※ 「47ニュース」と「あらたにす」については下記URLを参照
      http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-05-05

海外というある意味特殊な環境で私はこれらを活用するにいたりました。

これが用いてみると とても使いやすい!!
複数の紙面を広げる必要もなく
トピックごとに整理されていますし
記事の取捨選択も容易です。

記事のコピーペーストは著作権違反になりますが
学校の授業でのみ用いる分には,
以前していた新聞の切り抜き記事の活用となんら変わりはありません。
実際,それらのサイトをこまめにチェックするような子どもも出てきて
新聞への関心が高まる効果が見られます。

ただし,紙媒体には紙媒体のよさもあります。
特集記事などの,そこでしか見られないものも必ずあります。
それらは,それで忘れていないつもりです。

私がここで言いたいのは
紙媒体のみにこだわるのではなく
ネットの世界の新聞にも目を向けてみれば
ということです。

私のスリランカでのNIEは,ネットによるものがその大部分を占めます。
ネットNIE
スリランカで模索していきたいと思います。


次回は,このネット記事を用いた実践を紹介します。
47ニュースを利用した大リーグ松井選手の記事を用いた実践です。
読んでもらえればわかりますが,これは47ニュースを活用し
可能になった実践です。

次回を楽しみに

NIEで身につける楽観力(視点を変えて…)

いよいよ今年最後となりました。

どんな1年でも,最後は明るく飾りたいものです。
ということで,今回は生徒に楽観力を見につけさせる実践です。

楽観力
物事を明るく見る力

新聞に掲載されるニュースは
残念ながら明るいものばかりではありません…

しかし,見方を変えれば希望あるものに変わるかも
記事上の事実を曲げずに,視点を変え楽観的に内容を捉え
見出しを書きなおしちゃおうというものです。

「紙面の数字とにらめっこ」
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-12-16
↑ここでは,あえて否定的に記事を捉えました。

『乳幼児の父、「もっと家事・育児したい」が54%』という見出しを,内容を独自の視点で分析し

『乳幼児の父、もっと子どもに関わって』というものに変換しました。

詳しくは,上記サイトをご覧ください。


さて,今回は悲観的,否定的に物事見るのではなく
事実を捻じ曲げずに見出しを変えようというものです。

手法は,同じです。
要するに変えるのは,内容の捉え方

まずは,紙面から自分の変えたい記事を選びます。
P1080161.JPG

選ぶのは難しいかと思って,あらかじめ記事を用意していたのですが
誰も私が用意した記事に手をつけようとはしません。
継続的にNIE活動をおこなってきた効果でしょうか…
主体的に取り組む生徒の姿が見られます。


本校では,紙面として届けられる新聞は
残念ながら一社です。

しかし,直接手に取り紙面を広げる姿はいつ見てもいいものです。
表情は真剣そのもの
情報の宝の山から,自分の得たいものを探し出しています。



さて,ある生徒が選んだ記事は
12月1日の読売新聞の記事
『小中高生、暴力最悪6万件…要治療4件に1件』というものでした。
文科省の行った調査によると
児童生徒による暴力行為の件数が過去最多を更新し
その一方で,学校が把握したいじめは
最悪だった06年度から3割減ったという内容です。


まずは,記事の内容の把握
その後,プラス要素,マイナス要素をそれぞれ分析し
楽観的に内容を捉えた見出しを作成します。
P1080163.JPG

変換してできた見出しは
『いじめ減少 暴力行為の取り組みに期待』
P1080164.JPG

暴力行為は増えているものの,いじめが減っていることが
事実ならば,実は特定の人物による暴力件数が複数にのぼっているだけで
暴力行為をおこなった生徒数としては,減少しているのではないだろうか?
むしろ多くの子どもが荒れるという現象ではなく事態は好転し
今後そういった問題行動を持つ子どもへの対処を考えていけば,
教育現場はよくなる!!
とこの生徒は考えました。

少々無理やりですが
そう言われればうなずけなくもないですね。
見事,見出しを変えることができました。

これは考え方,捉え方の訓練です。
常に多角的に見れる目を養いたいものです。



世の中は暗いニュースばかりではありません。
ただそのようなニュースが目立っているだけなのかもしれません。

裏を返せば,まだニュースになるうちはよいのです。
それが当たり前になりニュースにさえならなくなった時が本当に怖い

世界には,そのような国がたくさんあります。

様々な角度から 記事を
そして世界を眺める

たまには否定的に
そして,楽観的に希望を持って

私は,子どもたちに答えは決して一つではないということを伝えたいと思います。
事実は一つかもしれないけれども
そこから導き出される答えはたくさんあります。

答えを探そうとしても
子どもたちは見つけられないでしょう。

なぜなら
答えは探すものではなく,自分で生み出すものだから

永遠に,存在しない既製の答えを探し求めるのではなく
自ら,答えを生み出す力をつけたいものです。

そんな力が身につくNIE
来年も実践を深めていきたいと思います。

それでは,みなさん
よいお年を

同じものを見てるのに…

2009年12月21日
みなさんは,夜空を眺められましたか?

そうです!!
月と木星のコラボレーション

これは日本で撮影されたもの
2009_1221月と木星のコラボ3.jpg
三日月の左側に小さく光る点が見えます。
これが木星です。

現在,スリランカに赴任中の私は
これを見ることができたでしょうか?



月と太陽と外惑星である木星の位置関係によって
観察できる月と木星の接近

当然スリランカでも見ることができます。

日本からの時差が3時間半
日本では,とうに西の地平線に沈んだ月と木星が
スリランカ時間の20時くらいに観察することができました。
P1080179.JPG
写真を拡大してみてください。
三日月の左側に,小さく光る点が見えると思います。
それが木星です。


2つの写真を見比べて,何かに気づきませんか?

そうですね。
三日月の傾きが違います。
満ち欠けの度合いは同じです。
しかし,なんだか雰囲気が異なります。

赤道付近に位置するスリランカでは
東から昇った月は天頂付近を通り,西に沈みます。
だから三日月は,ちょうど船のような形になるのです。

同じものをみているのに,観察する国が変わると
見え方が大きく変わるものですね。



世の中のこともこれと同じ

同じ事実でも,見る角度によったら様々な見え方をするものです。
月は世の中にただ一つ
でも,見え方は違う

異なるからといって,別のものではない
見ている月は,一つなのです。

「真実は一つだ!」な~んて言葉をよく耳にします。

これってあたりまえですね。
でも,我々はこの言葉に縛られすぎているような気がします。

「真実は一つ! しかし,捉え方は星の数ほどある!!」
私は,この後の部分が大事であると考えています。

自分以外の考えは,すべて間違いである。
これは,危険な考え方です。
新聞などのメディアが書いている捉え方を鵜呑みにすることも…

メディアは,あくまで
星の数ほどある見方の一つを示しているに過ぎません。

だから,様々なメディアを通して
自分の見え方,考え方を持つことが大事なのです。

そして,自分の捉え方が必ずしもすべてではない
という謙虚な気持ちを持ち続けることが大切であると私は思います。


ということで,今年最後になる次回は

事実を変えずに,視点を変える

新聞見出しをあえて自分なりに変えてみるという取り組みをお届けします。

紙面の数字とにらめっこ

前回に引き続き,新聞記事の見られる数字の分析です。

数字が出てきた途端に妄信的に鵜呑みにするのは危険です。
もちろん思考停止も…

ということで,記事の中の数字を注意深く子どもたちに分析させてみることにしました。


「乳幼児の父,「もっと家事・育児したい」が54% ベネッセ調べ
これは,先日14日の日経新聞の記事です。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091214ATFK1101011122009.html


ベネッセコーポーレーションの調査
0歳から6歳の乳幼児を持つ首都圏に住む4574人の父親が対象
調査方法は,インターネットによるアンケート

記事では,2005年度に実施した同様の調査と今回の結果を比較しています。

さてその結果…
「家事・育児に今以上に関わりたい」と答えた父親が54.2%
前回調査から6.3ポイントのアップのようです。
育児休暇制度の利用は3.9%で1.5ポイントアップ
食事の後片付けを週3日以上する父親は33.1%で4.3ポイントアップ
子どもを寝かしつける親も28.6%で2.1ポイントの上昇です。
しかしながら,子どもと一緒に室内で遊ぶは42.7%と4.1ポイント低下
子どもをしかったりほめたるする父親も63.5%と1.7ポイント下がっています。

以下に紙面上に載せられたアンケート結果を整理します。
① 家事・育児への意欲  → アップ
② 育児休暇制度の利用 → アップ
③ 食事の後片付け    → アップ
④ 子どもの寝かしつけ  → アップ
⑤ 子どもとの遊び     → ダウン
⑥ 子どもへの叱咤激励  → ダウン


自分なりの分析をしてみようということで
それぞれ子どもたちが発表します。
DSC03086.JPG

父親の育児への関わりの高さに驚く子ども



ここで,もう一度全員で記事の数字について分析してみることにしました。

食事の片づけなどの家事には参加するけど
一緒に遊んだりしない…
だから,褒めたり叱ったりもしない…
育児休暇をとるようになり
家事・育児への関心も高まっているのに…
ひょっとして高まっているのは育児ではなく家事の方かも?

褒めたり叱ったりするには子どもをきちんと見ていないとできない。
だとすれば,片づけを手伝うより
父親の育児参加という点だけを見れば
夕食の片づけをするときに,しっかり子どもに関わった方がよいのでは?


いろんな見方をすることができますね。

そもそもアンケート対象者が首都圏に住むわずか4752人の父親というのも
ここからは,日本全般のことを導き出すのは難しいでしょう。
調査対象のところを読み飛ばしていたら
日本全体のことと思ってしまいますよね。


そして,調査方法がインターネット

よく考えてみてください。
仕事が忙しくてなかなか育児に参加できない父親が
インターネットによるアンケートに気付き
わざわざそれに回答するでしょうか?

そんな時間があれば,少しでも休むか
子どもに関わりたいと思うかもしれません。

つまり,アンケートに答えた対象者の多くが
時間にある程度余裕を持っている人という見方もあるでしょう。

ここでは,あえて偏った捉え方をしましたが
別に,この記事やアンケート自体を問題にしてるのではありません。

アンケート結果を分析するには
いろんな見方が混在し,記事をそのまま信じるには危険があるということを
子どもに分かってもらいたいのです。


この記事は,おそらくいくつかのアンケート項目の結果を
ピックアップして記事を作成しているのだと思います。
つまり,記事の趣旨に合わないところは捨てるといったことをしています。

これは,別に悪意があるわけではなく
報じる側のメディアとしては,ごく当たり前のことなのです。
そうしないと,何を伝えたいのか分からなくなってしまいますからね。


大切なのは,情報の受け取り手が
それをきちんと意識できるということです。

アンケート結果などを利用した新聞記事に出会ったときは,
メディアリテラシーを育てるチャンスです。

新聞というメディア学習するNIEだからこそ
そのメディアしっかり理解する必要があります。

子どもたちと一緒に紙面の数字と
じぃ~っと にらめっこをしてみてください。

気をつけよう ~紙面上の数字とグラフ~

皆さんは,数字は得意ですか?

意外に,数字を見たとたん思考停止に陥ったり
妄信的に信じたり

そういった人が多いのではないでしょうか?

今回は,そういった数字とグラフにまつわるメディアリテラシーのお話です。

外国で暮らす私が,どのようにしてこの国の情報を得ているかというと
そのほとんどは,現地の新聞から取り入れています。

メディアリテラシー的見地からいくと
読み比べをするのではなく,単一紙から得られる情報は
非常に危険と言わざるを得ません。

しかし,今回はそういった話ではなく
主役はあくまでも数字です。

最近雨が多いスリランカ
雨期だから仕方がないのですが
道路は冠水するし,自然災害に弱い都市も困ったものです。
P1070709.JPG
P1070720.JPG
P1070719.JPG
P1070712.JPG

下のグラフは,東京とスリランカ最大都市コロンボの
月ごとの降水量のグラフです。
降水量.jpg
違いが良く分かります。

コロンボって結構雨が多いんですね
資料によると年間降水量では,コロンボの2,313ミリに対し
東京は1,482ミリとなっています。

新聞でも一面で,今回の道路の冠水について報じています。
P1070745.JPG
(Daily Mirror 19 Nov 2009)

記事によると
床上浸水も3800戸にのぼり
学校も4校が休校
120のバスルートで
道路の冠水が起ったそうです。

東京でも雨が降るとこのようになるのでしょうか?
降水量を比べてみることにします。
記事では,今回,コロンボにおいて207ミリを記録したそうです。

この都市の過去の記録として
1992年6月4日の492ミリ
2005年11月21日の270ミリ
というのが紙面に載っています。

さすが熱帯の雨期
たくさん降りますね。
ということで,日本のものも気になったので調べてみました。



とここであることに気が付きました。
降水量とは,浸み込まない地面に雨が降ったとして
何ミリ溜まるかを示したもの
だから,ある一定時間という時間の定義がいるのです。
月ごとの降水量は,一か月降った雨の合計

では記事の中にある207ミリという数字は

日降水量24時間降水量なるものをご存知ですか?
前者は,日の変わり目を基準に分けたもの
後者は,日をまたぐ豪雨のときなどその激しさを表せないため
日の境目にこだわらず24時間という時間を基準にしたものです。

日本の最大降水記録を見ると
1999年10月27日 の1時間で153ミリを記録した千葉県 香取市
1982年8月1日の一日で844ミリを記録した 奈良県 上北山村 日出岳
24時間降水量では1998年09月25日の高知県繁藤979mm
などが挙げられます。

単位時間が変われば,降水量の値も変わります。
この新聞にある207ミリは,果たしてどちらでしょう…
おそらく日降水量のことでしょうが
新聞たるもの,きちんと定義をしないとだめですね。
比較することができません・・・

こちらの新聞によくみられる傾向です。
読み手は,これらを何も疑いません。
数字は適切な判断を迷わせます。
数字が出てきた途端
読みたくなくなったり
無条件に信用したりする人は多いですよね。

定義が無いと言えば
http://land-ho.blog.so-net.ne.jp/2009-10-01
↑ここでも同じことがありました。

「すげぇ~ たくさん雨が降ったんだぁ!」
ではなく,どのくらい降った結果
こういった状況になったのか
正しく分析する必要があります。


新聞に数字が出て来た時
その定義をしっかり疑ってみるということが重要です。


新聞を教材として用いようとしている
NIE実践者ならば,なおさらこのことに気づいていなければいけません。


では,きちんと定義がなされていればいいのか?
実は,その場合でも要注意のものがあります。

それが,グラフです。


降水量の比較立て伸び.jpg
上に示した降水量のグラフ
先ほどのものと何か違った印象を受けませんか?

降水量横伸び.jpg
これは?

そうなんです。
2つは,横軸の幅を変化させただけのもの

2つとも,嘘はついていません。
事実に基づいたグラフなんですけど
見え方が,大きく違いますよね。

つまり,発信者の意図によって
グラフの受け取られ方を操作することが出来るのです。

これは,東京の月ごとの平均気温の推移を示したグラフ
東京.jpg
夏が暑い日本の気候を示すおなじみのグラフですね。

そして,こちらが,コロンボのもの
コロンボ.jpg

どうですか?
赤道付近に位置する国としては
きちんと季節があると思いませんか?


実は,これにもトリックがあります。

コロンボ赤丸.jpg
そうです。赤い丸で囲まれた部分の←これがくせものなんです。

横軸のメモリを東京のものと同じくらいにしてみたのがこれ
コロンボ2.jpg

ずいぶんと印象が違います。

2つの都市を比較するとこのようになります。
都市比較気温.jpg
これで,ようやくスリランカが年間通して暑いというのが伝わりますね。

では,先ほどのこのグラフは使い物にならないかというと?
コロンボ.jpg
そうではないんです。


P1070611.JPG
P1070607.JPG
実は,コロンボでは12月のこの時期
朝晩,霧が出ることがあります。
4月,5月は絶対に見ることがない…

理由は,グラフを見れば一目瞭然ですね。
12月の今は,他の時期に比べて気温が下がるのです。
だから,朝晩の冷え込みによって霧が出来る。
もともとの気温が高いゆえに飽和水蒸気量も高い
だから,気温が少し下がっただけで,空気中に存在できた
水蒸気が水滴となって漂う霧が出現するというメカニズムです。

こうした時には,先ほどのグラフが役に立ちますね。



つまり,グラフも数字も情報発信者の意図
そこに加わっているということ

前者の数字の場合は情報不足による読み手の意識操作
グラフの場合は見せ方の工夫による読み手の意識操作

悪意を持って見れば,そのように受け取ることもできるということです。

情報発信者であるメディアは,
嘘はついていない・・・


データは,事実ですが
それにどれだけでも発信者の手を加えることが出来る
ということを忘れてはいけません。

メディアは,
世の中に何かを伝えようとして
有効手段としてのこれらを使うのです。

もしあなたが
数字やグラフに新聞やネットで出会ったときは
深呼吸をしましょう。

そして,もしあなたがNIE(Newspaper In Education)実践者であれば,
それらが果たして教育に有用なものかしっかり吟味しましょう。


新聞は,教師が教材にしたてるものです。
つまり開発教材
既存教材ではないのです。
決して教材として作られたものではないということを
忘れてはいけませんね。

http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-09-20
↑ここと逆のことを書きましたが
善悪両面をよく知って活用することが大事であると私は思います。

コラムを書こう(起承転結)~後編~

さて,起承転結のコラムを子どもたちに書かせてみることにします。

その前に,果たしてどのくらいのコラムが
この型を採用しているのか調べてみました。

コラムを書くには,コラムを知らなければならない
という訳で,子どもの日のコラムを
47ニュース(http://www.47news.jp/)を利用して集めてみました。
(集め方の詳細については↓ここをご覧ください。)
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-05-05

コラムには,必ず書き手の意見が含まれている。
世の中へ,何を発信しようとしているのか
それを的確につかむことが大切です。
これが,ニュース記事コラムの異なる点ですね。
ニュース記事にも,着眼点としての記者の意見は入るが
コラムは,何を書いても良い
というところからスタートしますので
書き手の意見がもろに反映された文章になります。

そこで,
「書き手が言いたいことは,ここだな!」
と思うところに線を引かせ
内容を大まかに,子どもたちに把握させました。
P1070674.JPG

選んだコラムは全部で21本
全国の新聞各紙からネットを通じて集めました。
P1070675(21).JPG
全てに目を通し
何が言いたいのか一文で表します。


今回の,子どもたちが作るコラムのお題は
「子ども」
まさに,今の自分たちのことです。

お題は,最初は身近で書きやすいものが良い
まずは,大人たちが作成した
自分たち子どもについて書かれたコラムを読むことで
「ちょっと違うんだなぁ… おじさん」
と感じたりすると自分の意見を書く作業が楽しくなってきます。

ということで,
コラムに興味を持ったところで,さっそく起承転結をもとに
文章の構成を分析します。

P1070676.JPG
この生徒が選んだのは,朝日新聞の天声人語
このコラムはたまたま,起承転結にうまく分けることが出来たので
それぞれの4つの部分を一文で表現してみることにしました。

この作業は,ちょうど文章で書かれた絵のない4コマ漫画を作るようなものです。
ちゃぁ~んと落ちがついた4コマ漫画が,頭の中で出来上がりました。

しかし,すべてのコラムに目を通して見ると
(転)(結)のみの構成であったり
様々なパターンがあるのに子どもたちは気付きます。

「起承転結型の文章が,必ずしも全てではないんだ…」

それを実感してもらったところで
今回あなた達が作るコラムは
起承転結に当てはめるよということを
子ども達に告げます。

最初はコラムに取っつきにくそうにしていた生徒も
「4つの枠を埋めさせすればいいんだよ」
と促すと,意外に素直に鉛筆が走りだします。

P1070668.JPG
代表的な起承転結型のコラムをお手本のためにプリントの上段に載せ
その下に,自分のコラムを書かせます。

ということでできたコラムがこれ↓
P1070667.JPG
大人は子どものすべてを知っていると思い込んでいるが,子どもの心の中までは,
実は知らない。▼何か悩みがあるのかと聞かれて相談したが,なかなか言いたい
ことが伝わらない。「あなたは,こんなことが言いたいのでしょう?」なんて言って
くるが,全く的外れである。こういったとき,大人たちに「何もわかってないじゃん!」
と言い返したくなる。▼子どもは大人の世界に憧れる。そして,その世界をずっと
見ているが故に,大人の裏まで見えてしまう。しかし,大人は子どもが自分たちの
陰の世界を見てしまっていることに気付かない。そして,そればかりか子どもを
見下すときさえある。▼子どもは大人の世界を見ながら生きている。時には大人も
自分達が子どもだった頃を思い出し,子どもの世界に思いをはせてみてはいかが
だろう。今の子どもにも興味を持って,今の大人の世界を生きてほしいものである。

見出しは
「子どもの心,親知らず」

なかなか面白い
親知らずにはかなり苦しめられてきた私ですが(泣)

あぁ… スミマセン
その親知らずではありませんね。


みなさんは,お分かりですね。
「親の心,子知らず」の逆ということです。
これこそ子どもの発想

大人たちへの心の叫びが込められた
子ども達による,子どもの日コラムです。

文章を分析してみると,きちんと起承転結になっています。


(起)
大人は,子どものすべてを知っているように思っているけど
実は,私たちのこと,あまり理解していないんですよ。
これから,それについてお話します。
(承)
具体例を示します。例えば,えらそうに悩み相談に乗るとき
分かったようにうまくアドバイスしていますが,
私たち子どもから見れば,的外れなことが多いんですよ。
(転)
ちょっと話は,ずれますが,私たちが大人を憧れるということは
知っていますか?関心を向けるがあまり,その時,見たくない
嫌な部分まで見えちゃうんですよ。それに気付きもしないで
子どもだからって見くびったりしていませんか?
(結)
子どもは,先ほど言ったように,大人の世界をじっと見て
生きているんです。だから,あなたたち大人も,時には
私たち子どもの世界を注意深くのぞいてみたらどうですか?
昔は,あなたも子どもだったんでしょう。私たちのことに
うわべだけではなく,しっかり関心を持ってくださいね。

いかがですか?
良い意味で,大人はちょっと書けない文章ですね。
完全に子どもの目線で書かれたコラムです。
ちなみに,この生徒は,文章を書くのは得意ではありません。
思いがあるからこそ書けるのだと思います。
その思いを大切にしてほしい
そして,起承転結という枠にあえて当てはめたからこそ
このコラムが意外と簡単に完成したのだと思います。


少々スキル的なことを書きますと
読みたくなるコラムに必要なスパイスは
スピードと高さと聞いたことがあります。

人は,なぜジェットコースターに乗りたがるか?
それは,
日常では得られない,爽快感を感じたいからです。

爽快感のあるコラムを目指すと
読者は,続きを読みたいという衝動にかられます。

今回の子どもが作ったコラムでは
時間的なスピード感はありませんでしたが
高く飛び上がることはできました。
そのジャンプが(転)の部分です。

(転)に悩んだ場合は,180°視点を変えると上手くいきます。
テレビドラマのカメラワークのごとく見方を変えるわけです。

今回の場合を矢印で表すと以下のようになります。
起)  大人 → 子ども
承)  大人 → 子ども
転)  子ども→ 大人
結)  大人 → 子ども

さて,起承転結を利用した
コラムの作成
いかがでしたか?

案ずるより,産むが易し
まずはやってみてください。

文章を書くことが嫌いだった生徒が
少しずつ,自分を表現することの楽しみを覚えます。

誰でも,自分のことを他人に分かってもらいたい

自分の考えていることが,きちんと伝えることが出来るようになると
子ども達の心も落ち着くような気がします。

思春期のイライラは
自分の思いを伝えられないもどかしさ

コラムを作成させることで
クラスの子ども達の心も安らぐかもしれませんね。

一度試してみる価値はありますよ!! 

コラムを書こう(起承転結)~前編~

今回は,コラムを実際に書いてみることにします。

コラムについては,前回↓ここでも触れました。
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-11-05

自分の考えや思いを文章にすることはとても大切です。

でも,長い作文となると気が引ける…
小論文はちょっとなぁ…

なんて考えていたら,いつになっても自分の考えを文章にはできません。
文章にできるということは,スピーチもできるということ

難しいことは考えず
まずは,数多く自分の気持ちを文章にしてみることが大事なんです。

なんでも一緒
練習の積み重ねが必要だということです。

そういった意味では,コラムを書くということは
長い文章と違い
非常にとりかかりやすい練習と言えるでしょう。


さて・・・
では,そういったコラムをどのようにして子どもたちに書かせるか

今回は「起承転結」を取り入れてみることにします。

と中身に入るその前に この「起承転結」の欠点を語らなければなりません。

起承転結型の文章について簡単に説明します。
例えば,4コマ漫画
新聞などの4コマ漫画はまさに,この起承転結に基づき作られているものが多い
話が分かりやすく,最後に落ちが来る。

私の大好きな落語なんかも,起承転結で話が進みます。

例えば起承転結の代表的な文に次のものがあります。

起) 京の五条の糸屋の娘
承) 姉は十六 妹十四
転) 諸国大名は弓矢で殺す
結) 糸屋の娘は目で殺す

これらの4つの文
それぞれに役割があります。
しかし(承)(転)は,省略しても話が通じます。
実際に2つを省いて読んでみてください。
十分に,話の内容は伝わります。
(承)と(転)の2つは話にとってのスパイスになるのです。

(承)は,話のインフォメーション
この場合は,糸屋の娘さんの詳しい情報を読者に提供する役割を持っています。
姉は五十路で妹は四十路
う~ん…
話の雰囲気がずいぶん違ってきますね

一方(転)は,話には全く関係ない
本当に無くてもちっとも困りません。
ちゃんと話の内容は伝わるでしょう。
しかし,これがあるのと無いのでは,最後のフレーズがずいぶん違って聞こえます。
(転)の部分だけを取って
先ほどの文章を読んでみると良く分かります。
まるで,味噌がない,味噌汁のようですね。

(転)は,(結)のためにあるのです。

だから(結)が定まっていないと(転)を書くことはできません。
最後の落ちに行くまでのジャンプですね。
ジャンプが高いほど,着地が際立つ。

(結)はとても重要です。
糸屋の娘は鉈(なた)で殺す
これじゃ ホラーです…

(起)についても一緒
他のすべてを省略しても,話の内容は変わりませんが
糸屋の娘は,目で殺す
これだけでは
で?
ってなっちゃいますもんね。

京の五条の糸屋に娘さんがいました
彼女は,目で人を殺せるほど美しいんだそうです。

これだと,話の内容が伝わります。
むかぁ~し むかし おじいさんとおばあさんがおったそうな
やはり,おなじみのこれがないと
いきなり「おじいさんは山へ芝刈りに,おばあさんは川へ洗濯に…」
と始まったら
おいおい 何の話だよ…ってなりますね。


やはり,なくてもよいというものは無いのですね
文章の中で,これらはそれぞれに個性を持って光っています。
書き手は,その個性を生かせるように
構成しなければならないということです。

とここまで書くと,非常に起承転結型の文章は良いように思えますが
決して万能ではありません

一つ目の欠点は,要素数が4つと固定されてしまうということ
作文など書くときには,これでは少なすぎます…
大段落という考え方もあるのですが
結局,この4つの枠の中に押し込めてしまわなければならなくなり
「これはどっち??」
なんて迷うはめに…

構成上,4つの要素に当てはまらないものもたくさんあります。
そもそも起承転結に分割しようとしていること自体ナンセンスですね。
4つ以外に分けた方が,
ごく自然に理解できる内容もたくさんあります。

起承転結の流れに固定したのでは,
話の趣旨に最適な表現などできない。
流れを決める際には,
伝えたい内容を重視して考えるべきである。

といった考えもあります。


が!
あえてここでは,起承転結を用います。
理由は,
コラムぐらいの短い文章では
4つの段落に当てはまると
文章が簡単にできちゃうからです!

だらだら,長い文章を書くのではなく
今回は,4コマ漫画を文章に書き換える
といった感覚で気軽に取り組むことを重視しています。

誰でも,いきなり「自分の考えをコラムにしてみよう」
と言われたら戸惑いますもんね。

自分の考えをのせた文章を書くということに
高い壁を作りたくないというのが本心です。

何度も書くうちに慣れてくる
この慣れをねらっているのです。


と今回はここまで…
ちょっと長くなってしまいましたので
具体的な実践編は次回にまわします。

つづく

新聞コラムに挑戦

コラムは,気軽に自分の考えを文章に書かせるときに役に立ちます。
今回は,そんなコラムの実践です。

えっ? エッセイじゃなくてコラム
そもそもエッセイとコラムって何が違うの?


コラムの語源はcolumn=円柱
英字新聞では「欄」を表す言葉です。

つまり決まった囲みの中に
自分の考えを少々加えて書いたものがコラム

エッセイは,自由な形式で
気軽に自分の考えなどを述べた散文や小論を指します。

????
よく分からなくても大丈夫

結局どういうこと?
な~んてことは全く気にしません…


コラムは,新聞・雑誌などで,線で囲んだ
ちょっとした記事のことです。
つまり,囲み欄のこと

どの新聞にも見られる
一面下にあるものが
コラムの代表と言えますね。
同じみの天○人語や編○手帳,春○などなど…


エッセイをコラム欄に書けばコラムになる。
だから,ここでは深くその違いを
気に留める必要はありません。
要は,自分の考えを限られた文章量の中で
述べられればそれでいいのです。


私は,毎日子ども達に
新聞記事の読み取りをおこなわせています。

その中で,コラムを取り上げることもしばしば

うまい文章を書きたければ
その文章をとりあえず真似すればよい。

模倣こそが,スキル上達の一番の近道です。


ということで,実際にコラムに親しみ
その手法を真似てみながら,自分の意見をコラムにする。

そんな実践に取り組んでいます。

コラムについては以前,ここでも触れています
「イベント日に活きるコラム」
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-05-05
「新聞コラムの読み比べ」
http://wasamon.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

しかし今回は,主体的なコラムへの関わりです。

受信者から発信者への転換です

「ぼくは,こんなところに目を付けました」
「みんなは気づきました?」


「すごいでしょう(笑)」


自慢は,そこそこでいいですが



「みんなはどう思う??」

↑これが大事だと思います

課題発見→課題追求(考察)→意見交換
さらに考察場面で,自分のこととして捉えられたら最高ですね
自らの実生活と結び付けると
それはもう!エクセレントです!!

紙と向き合い,自分の思いを枠の中に綴る
書くという作業は,自分と向き合う作業

日頃親しんでいるコラムっぽく
かっこつけて書いてみる

楽しく,自分の思いを綴ることが大事ですね。
ついでに,身の回りのことについて問題提起までしちゃう

自分の意見を言える
そして,人の意見を聞ける
ということは,いじめ撲滅にもつながります。

いじめとは,異質なものを排除しようとする
心の動きが原因だと言われています。

意見の違いを,クラスメイトで共有するということは
とても大事なことなのです。

コラムに取り組むことで,学級経営がうまくいく



な~んて 大きく出ましたが
意外とやってみると効果がありますよ。

ということで,次回は,そのコラムの書かせ方について
詳しく触れてみることにします。

Tea break

ちょっとひと休み
今回は,少し新聞から離れてみることにします。

在外教育施設
いわゆる海外の日本人学校に勤務している私は
海外でも,教育実践に新聞を活用しています。

といっても本職は「理科」
日本と異なる自然環境は
理科の教員にとって,宝物の宝庫です。

私の任国,常夏の島スリランカ
雨期と乾期については,季節風の影響によるものですが
気温については,南中高度が関係します。
(参照:http://land-ho.blog.so-net.ne.jp/2009-05-17



三角コーンのかげの動きから一日の太陽の動きを考えます。


それが,なかなか教科書のようにはいきません・・・
かげが,どんどん短くなりその後横へ移動し,今度は逆にどんどん大きくなります。
DSC02978.JPG
DSC02979.JPG
k.jpg



上の写真の結果を分かりやすく示すと以下のようになります。
l.jpg


面白いですね。子どもたちは頭をかしげます。

「なんでだろ? おかしい??」

予習が全く通用しません…

「あっ 先生! 太陽は朝だけ早く動いて 昼間になると遅くなるんですね!!」


『なるほど! じゃぁ,スリランカが朝の時,日本は昼だから,日本は昼が早いんだね』


「あれ?? やっぱおかしい 先生 太陽は一定の速さで動くはずです」


『そうだね。 でもどうしてかげの大きさが変化したり,位置が変るんだろう?』


そういったやり取りをしているうちに
ある子どもが,太陽が日の出と共に南の空には移動せず
天頂に向かって動いているという考えを出しました。

正解です!

赤道付近に位置するスリランカでの太陽の日周運動は,図のようになります。
透明半球太陽の動き.jpg

秋分の日は,だいぶん前に過ぎましたが
観察した秋分の日の1週間後の日本では
太陽は,真東より少し南から昇り始め
その後南の空に移動し,真西より少し南寄りに沈みます。


地球上での見かけの太陽の動きを,図で表してみました。
太陽の動き.jpg
この図をみると,スリランカは1年のうち2度太陽が真上を通過する時があります。
南中高度が90°になり,かげが無くなるという現象が起きます。

太陽が真東から昇り,真西に沈むという春分・秋分の日では
スリランカでは,太陽は南寄りに移動し,南中時も
太陽は,南の空にあるということです。
残念ながら,あと2カ月ぐらい前に,観察していれば
かげが横に移動せずに,一直線になったかもしれませんね。

これでは,日時計が作れません・・・

この国では冬至が,太陽の高度が一番低くなり
春分の日の少しあとと秋分の日の少し前が
最も高くなります。

日時計は,時期を見て作らなければいけませんね。



日時計ができるのは,冬至の日

最も暑い時期が1年に2度来るスリランカ


面白いですね


どうして,日本とスリランカでは,太陽の動きが違うのか

子どもたちは,かげの観察を通して不思議に感じたようです。
日本を離れて異国の地で学習する子どもたちには
こうしたたくさんのチャンスがあります。

しかし,日頃のここでの生活の中で
何人の子どもが,自発的にそれに気づいているのでしょう?

子どもの可能性は限りない
しかし,同時に未熟でもあります。

だからこそ教師が
子どもを,あたかも自分で気づいたかのような錯覚に陥らせる
ことがポイントなって来ます。

先生の力量ってやつですね。

知識と日常を結びつける橋を架けるのが
教員の仕事です。

いわゆる日常化と呼ばれるものです。

新聞を活用した教育実践のNIEでも同じことが言えると思います。

忘れてならないことは,「日常化」

NIEで身に付けた力が
日常生活の中のどういった場面で生きるか

それを実践者は,明確かつ端的に
誰でも分かるような形で答えられなければいけません。

新聞が好きだからNIEを実践するのではなく
新聞が有効だから使うのです。

主体は,子ども


新聞を活用する様々な場面で
日常化についてイメージがわかない場合は
使用しない方がよいこともあります。



そこで大切になるのは,日頃の教員の想像力と好奇心

「おや?」という気持ちを子どもよりも先に持つことが大切です。

好奇心の高さは,子どもの得意分野です。

負けられませんね・・・

日頃の自分の生活で,かげについて疑問に持ち
なぜ,常夏の島なのに気温が変化するのだろう?
ということを考えなければ,実践には結びつかないのです。

NIEとて同じ
毎日実践者が,新聞に目を通すということが
一番大事なのです。
その時,記事の深読みのくせをつけることです。

そしてなおかつ,日常化を意識しながら読む


これって使えるかな?? という姿勢で読む


新聞は,教材として作られたものではない
だからこそ,そういった視点が必要です。



あれれ???
結局 ”新聞活用”の話になっちゃいましたね…

理科もNIEも同じってことですね。

NIE使用上の注意

海外でNIE(News paper In Education) を実践する私は
英字新聞を用いる時もしばしばあります。

しかし,英字新聞には新聞特有の言い回しがあります。
日本の新聞でも同じですね。

例えば,この記事
DSC02844.JPG
(Daily Mirror 01 Oct 2009)

赤で囲まれた見出しに注目してください。
Childrenに"S"は必要でしょうか?
複数形としては,当然要りません。
しかし,Children'sのアポストロフィーを省略しただけかもしれません。
(記事の中身は↓)
http://land-ho.blog.so-net.ne.jp/2009-10-01
http://land-ho.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

実際のところ,どうなのか分かりませんが

英字新聞には,その書き方に特色があるようです。


中学2年の英語の教科書 NEW HORIZON(東京書籍)によると
英字新聞の見出しには次のような特色があるそうです。

1.過去のことは現在形で表す
   Titanic Sinks, 1,500 Die
  (タイタニック号沈没,1,500人が命を落とした)

2.未来のことや予定はing形や不定詞で表す
   Finding New Books On-line
  (新刊本さがしはインターネットで)
  China's Li to Vist Japan in August
  (8月に中国の李氏が来日予定)

3.動詞は場合により省略する
   Japanese Pack Planes (come) to Hawaii
  (日本人大旅行団ハワイに飛来)

もちろん,これは例の一部です。
面白いですね。まったく知りませんでした。

そう考えると,日本の新聞見出しだって
主語がなかったり…  さまざまです。
よく言われている
主見出し8字,袖10字
当然,これは基準であり当てはまらないものもたくさんあります。
しかし,見出しを作る際,これを意識するのなら
文法上,厳密には間違った文ができてもおかしくありません。

従って,見出しは,文字数の制限に悩みつつ,いかに記事の中身を
伝えるかという点を工夫されてできた文といえます。

だから,ここから文法を学ぶのは間違っています

英字新聞をNIEに用いるのはよいのですが
子どもたちに,見出しを和訳させて,意味を掴ませる行為
ちょっとした危険を伴うということを忘れてはいけません。


私は,理科の教員ですが
やはり科学的思考力を身につけさせるには,
観察・実験意外が一番であると思っています。

NIEの実践者は,何でも新聞を使いたがりがちですが
もともと新聞は,教材として作られているものではない
という事実を忘れてはいけないと思います。

新聞は,万能ではありません。
国語力を育成するのには新聞は有効ですが
国語科力は,やはり教科書や辞書などを用いるべきです。

私は,人に伝わる文章の書き方,意見の持ち方,発し方や
相手が何を話したか,書いたかを分かる
という力を育成するために新聞を用いていますが

文法上の決まりや,正しい文の書き方などは
新聞よりも,教科書や副教材の本の方が,
子どもたちにとって分かりやすく,学びやすいと思っています。

私が,育成している力は,子どもたちがこの先
「生きていくための力」
だと考えています。

国語力というのは生きていくための力
国語科力は,国語という教科の力

NIEは,生きる力を身につけさせるのに有効な教材の1つです

英字新聞を使われる際は,その点を十分お気をつけてお使いください。
新聞は,万能ではない。
もともとある教材ではなくて
教員が教材にしたてるものなのです。

そこのところを気をつけながら英字新聞を
海外の地でこれからも活用していこうと思います。

新聞コラムの読み比べ

記事の読み比べ
複数の紙面に目を通し,新聞社の記事に対する立場を読み解く

メディアリテラシーを育成するためにこれはとても大切なことですが
いささか堅苦しく,難しい…

でも,読み比べは大切
同じ出来事でも,書き手が違うと文章も異なる
文章が異なるということは,着眼点や意見も違うということです。

こういったときは,コラムの読み比べをしてみるといいですよ。

大リーグ史上初の9年連続200安打を成し遂げたイチロー選手
2009年9月15日の新聞各紙のコラムには,そのことが取り上げられていました。
以前ここでも紹介した「くらべる一面あらたにす」
http://allatanys.jp/index.html
今回使用したコラムは,朝日の天声人語と
日経の春秋,そして読売の編集手帳です。

同じ内容を書いたはずなのに,ちょっとずつ視点が違います。
イチローの何について書くことで,9年連続200安打の偉業を伝えるか?
この違いがあるからこそ,読み比べができるのだと思います。

しかし,ここはあえて軽いタッチで…

「すべて大記録をなし得たイチロー選手に関するコラムです。
あなたの好きなコラムを1つ選び,
それを選んだ理由を他の2つと比べて書いてください。」

「イチロー選手が,大記録を達成できたのは,
どうしてでしょう?あなたの考えを書いてください。」

以上の2点にしぼって,生徒に考察させました。
P1070148.JPG
P1070143.JPG
結果は
「イチローの努力に視点をあててある」という理由で春秋が一番人気がありました。


2つの質問の意図は,3つのコラムの視点の違いに気付くというよりも
書き手が異なれば,同じ事実を書いても,伝わるものは変わるということを
体感してほしいという願いからのものです。

これを実感すると,生徒の書く文章は一味変わってきます。

例えば,運動会のことを書くにしても
自分が書くのは人と違うオリジナルのものであるということに気づくのです。
すなわち,文章に視点が入るということです。

それに気付かせるだけであれば,難しい記事は要りません。
こういった,何か子どもがとっつきやすい出来事があった時のコラムを利用すればよいのです。

そんなコラムのスクラップ
結構,役に立ちますよ。

使える新聞グラフ

理科の授業では結果考察をしっかり意識して区別することが大切です。
結果は,ただ一つですが,考察は,行った人の数だけ存在します。
大きな話になりますが,この世はすべて仮説で成り立っています。
世の中の99%は,つきつめると証明できないことばかりなのです。

例えば,私たちは同じ時間に生きることは不可能です
えっ?と思うかもしれませんが,時間とは光の流れ
つまり,私たちは数分前の太陽を見ているということです。
夜空に瞬く星たち,これらも同じ時間には存在していません。
それぞれ見ている星たちの時間は違います。
あるものは,10万年前のもの,そしてあるものは1万年前のもの
それを,私たちはあたかも同時に存在するかのように見ているのです。
そう考えると,同じ部屋にいる友達も,ずれて見えており
同じ空間を共有しているが,自分が感じる同じ時間は過ごしていないということになります。
つまり,私たちは,すべて自分の時間の中でしか生きていないのです。

話が少し難しくなってしまいました…
実は,これも1つの仮説なんです。
なるほどねと思ってくださった方
そういった方が多ければ,この世の中ではそれがあたかも真のようになります。
しかし,真偽なんて,誰も証明できない
いかに仮説を立て,それを実験により検証し
世の中の人を納得させるか
そうやって,私たちは生きてるのです。

社会科学も同じです。
社会を納得させるデータを提示し,仮説を立てる
データやグラフに苦手な人は,すんなり何の疑いもなく受け入れてしまいます。
しかし,よく考えてください。
その実験データやそれによって作られたデータは
発表者が立てた仮説を検証するために人為的に選ばれたものです。
発表者は,自分の仮説が正しいということを世間に納得させるために
実験をしているのです。
もちろん,そういう人ばかりではないかもしれませんが…
しかし,この考え納得できませんか?
以上が,私の仮説です。

さて,冒頭で結果と考察を区別することが重要であると述べた私
それは,なぜか?
考察は,その人の考えだからです。決して真理ではない。

ではグラフは,結果と考察のどちらでしょう?
実験結果をグラフ化して一定の法則を発見する
正解は,考察です。
だから,グラフというのは,非常に危険なものなのです。

つまり,発表者が自分の仮説を世の中に納得させるために使うものだからです。
気をつけないと作者の思いがグラフに十分にこめられています。

では,結果であるデータは嘘はつかない公正なものなのか?
残念ながら,これも少々疑ってかかる必要があります。
なぜ,その実験を行ったか?
それは,仮説を検証するため

そもそもスタート地点から作成者の意図が,十分入ったものになっています。
社会科学におけるアンケートも同じです。
アンケート結果には,嘘はないでしょうが
アンケートを作ったのは人間です。
意図的にあることを言いたいために作られたアンケートが
世の中には数多くあるということを知っておかなければいけません。
演繹法と帰納法の話が有名ですね。
これらについては,次回以降もっと詳しくアプローチしてみることにします。

さて,グラフ
以上のような理由で,グラフにも疑いの目をかけるべき
決して鵜呑みにしてはいけない。
その視点で,メディアリテラシーの実践も考えられるでしょう。

しかし,今回はあえていくつかのグラフを用い
記事を書いた作者の意向に乗っかり,その読み取りを行うことにしました。

今回用いたのは,日経BPネットの記事
“老人国家”に未来はあるのか~若年世代にのしかかる負の遺産
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090910/180352/?P=1
このようなネット配信記事なら海外でも実践に用いることができます。
ここの時評コラムを,私はたびたび活用させてもらっています。

子どもは大抵グラフが苦手です
しかし,苦手のまま大人になると,思考停止が日常茶飯事となり
ワイドショーのコメンテーターが発する考えしか
自分の考えにできない大人ができあがってしまいます。

某テレビ局の「あるある大辞典」もそういった現象の一つでしょう。
だまされた自分を責めずに,メディアを攻撃する。
そういった,人が増えるとますますメディアは暴走します。
戦時中,戦果をあおった新聞は,実は民衆が望んだものなのです。
反戦なんか書いたら,事実を書いたら売れなかったのです。
おおげさに戦果を書いたらバカ売れした。
その後,メディアがミスリードを繰り返すはめになりました。

だから,グラフを読み取る力は,とても大事あると私は考えます。
まずは読み取れるようになってから,その力を獲得したのち
その次のステップとして疑う力を持つ
私は,その手順で子どもたちに力をつけようと考えています。

新聞などで使われるグラフは分かりやすい
なぜなら,記事には見出しがあり
その見出しがキーワードになっているからです。
今回は「“老人国家”に未来はあるのか~若年世代にのしかかる負の遺産」
これが,グラフを読み取るカギとなります。
この仮説を納得してもらうため記事は3つのグラフを用意しました。
090910_01.gif
090910_02.gif
090910_03.gif
それぞれのグラフから,子どもたちに自分の考えを出させます。

「若者の数が少ないので,意見を聞いてくれなくなる」
「選挙に行かなければ,自分たちのことを政治家は気にかけなくなる」
などといった子どもたちの考えが発表されました。

子どもたちが生活するスリランカでは,民族紛争が課題で,
マイノリティー(少数派)であるタミル人と
多数派のシンハラ人の間でさまざまな問題があります。
長い間続いた内戦も民族紛争が原因でした。

だから,子どもたちはマイノリティーという言葉に敏感です。

グラフから,自分たち若い世代は,日本において
マイノリティーであるということに気づいたようです。

新聞紙面やネットにおいてグラフを見つけた時は
実践のヒントがそこに隠されています。
ぜひ,活用してみてください。

しかし,グラフは考察
意図的に作成されたものであるということを
教材化する側の教員がしっかり把握しておくことが必要です。

教員のフィルターを一度通したうえで
使用上の注意を十分吟味した上でお使いください。

NIEにおける反芻学習

前回の話を少し進めてみます。
繰り返し繰り返し学習し徹底して体で覚える「反復学習」
知識の習得には,特にこれが有効で,掛け算九九の学習は,まさしくこれにあたります。
しかし,これからの世の中を生き抜くうえで
九九だけを知っていても生きて使えない場面が多くあります。
情報処理の能力を120%発揮して,例えどんなにすばやく正確に答えを出したとしても。
それらの答えを使う能力がなければどうしようもないのです。
そこで必要となってくるのが「反復学習」ではなく「反芻学習」です。

反芻(はんすう)
ご存じの通り,牛などに見られる食べ物の消化の仕方で
口での咀嚼の後,胃で一部を消化したのち,再び口に戻して咀嚼するというやり方です。

このいったん飲み込むというところに焦点を当てた
私が,考える反芻学習とは,子どもたちが目の前の課題を,一度自分のものにして
自ら出した答えをさらに再考し深め高めていくという学習法を指します。

なんでもかんでも,容易にすぐに表面的な答えを出すのではなく
その答えの中に,必ず自分を入れるというものです。

例えば,学校の通常行われる授業
私は,そこにおいても同じ答えは,絶対に無いと思っています。
互いに同じ答えを導き出したとしても
異なる人間から出される答えは,思考の過程が異なります。
過程が異なれば,全く同じにはならないと思います。

「僕も○○さんと同じです」
私は,これは思考の停止を意味する言葉として受け取ります。

「僕は○○さんの意見に賛成です。なぜなら,□□のように考えたからです。」
自分の考えを様々な場面にきちんと入れることが重要であると考えます。

へたくそでも自分の言葉で話すということが大切なのです。

では,新聞を用いた学習のNIEでは,どういった実践ができるか。

他人に思考を預けず自分で考えるというくせを定着させるには
その教育活動において
日常化を図ること
気軽であること
この2点を重視しなければいけないと考えます。

これらを考慮に入れ私は,毎日子どもたちに記事の読み取りを行わせています。
1学期におこなっていたのは,記事の内容の把握と読んだ感想
それに加え
2学期は,記事の内容に即した問いをいくつか設け
参考記事などをつけながらさらに深い読み取りに挑戦しています。
特に,単なる記事の内容の読み取りではなく,記事中の人物に焦点を当てながら
記事に書かれていない内容を想像させ,記事中の人物の心の声を聴く力をつけています。
Microsoft Word - 北日本(野口さんゴミ拾い)).docx_001.jpg
新聞記事を通して,記事の出来事に心を研ぎ澄まし
考えの交流がおこなうことができるようになることが目標です。

そこで,「じゃぁ実際先生はどう考えるの?」という子どもの問いを大切にするため
教員の考えを子どもと同じようにプリントに書き,廊下に貼るようにしています。
P1060626.JPG
もちろん,この活動をする朝・夕の学活でも教員である自分の考えは子どもの前で話します。
記事は,教員自身が自分で選んだものだから,思いも当然たくさんあります。

しかし反芻するには,思い返すことができる環境が必要です。
ということで,いつでも子どもたちがさかのぼって,私の考えを見られるようにしています。


新聞記事を通して相手の心を読む

「どうして,先生はこの記事を選んだんだろう?」
「僕たちに何が言いたかったのだろう?」

そんなことを子どもたちが心に描き始めたならば
この実践は成功ですね。

反芻ということは,胃から出したものを再び口で咀嚼する
教育活動の中でいうと
自らの考えの再考です

前日に貰った記事から自分の考えを導きだし
翌日,教員や友だちの意見を聞いてさらに再考する。

その繰り返しによる,前回出ましたレゴ型学力である
情報編集力の育成です。

NIE的反芻学習により,これらの力の育成に取り組みます。

反芻により子どもたちがきちんと情報を消化し
レゴ型学力を吸収することができたか
今後検証していきたいと思います。

NIE的学力

ゆとり教育の見直しが昨今盛んに叫ばれています。
あたかも…
ゆとり=悪
徹底指導=正義
の図式が出来上がってしまっているかのようです。
しかし,よく考えてみてください。「ゆとり」は果たして悪なのでしょうか?
私は,すべて善でありすべて悪であると思っています。
つまり,何でも両面持っているということです。
要は用い方の問題です。

では,ここで学力について考えてみることにします。
以前より学力には2種類あると私は考えてきました。
「学んだ力」「学ぶ力」
それを少し推し進めて考えてみることにします。
情報過多の時代になったと言われるようになって久しい現在
相変わらず,子どもたちの周りには善悪混じった情報が渦巻いています。
では,それらの情報をどう扱うか
それには2つの力があります。
「情報処理能力」「情報編集能力」です。
情報処理能力とはいわゆるパソコンで言うところのCPUにあたります。
多くの問題を瞬時に解決し,正しい答えを導くもの
確かに,この力を我々は身につけなければいけません。
しかし,もしもこの世の中に「正しい答え」なんてどこにもなかったらどうしますか?
昔のように,世の中が簡単で,立身出世が持て囃され
西洋に追いつくために必死に国として努力する世の中であったら
仮の答えがたくさんあったかもしれません。
しかし,今は…

どんな生き方が正しい?
どんな夢が正しい?
そこには,明確な答えはありません

子どもたちは明確な答えを欲します。
子どもたちだけでなく大人も…
だから善悪がハッキリしているワイドショー的なものがうけるわけです。

そんな子どもたちに我々教員は
人生に明確な正解なんてないということを早く教えてあげなければいけません。

答えがどこに行っても見つからない世の中において
情報処理能力は,全く当てにならないものになります。
では,情報編集能力とはいったいどんなものでしょう。
簡単に言うと,自分なりの答えを様々な材料を用いて導き出す力だと思うのです。
情報処理能力を,ジグソーパズル型学力と呼ぶのなら
後者は,レゴ型学力と呼ぶべきものになります。
決まったところに当てはめる力ではなく作り出す力です。
これからの世の中には,そんな力が必要であると思います。

さてNIE
文科省が定める既存教科は,情報処理能力を身につけさせることは得意でしたが
情報編集能力を身につけさせることは不得手だったわけです。
だから,「総合的な学習の時間」なるものが増設されたといういきさつがあります。
その総合を削った今回の改革
果たして,大丈夫なのでしょうか…

NIEの存在意義がここででてきます。
NIEだからこそできることがある
NIE的学力は,この情報編集能力
「生きる力」を目指す力と言えるでしょう[わーい(嬉しい顔)]

現地素材は新聞

国際理解教育で頻繁に出てくる言葉「現地素材」
しかし,この現地素材
意外と見つからないものです。

特に,道徳や学活においては
活用するのに時間と労力がかかるということをよく耳にします。
いわゆる手がかかりすぎて,教材を準備する時間の余裕がないということです。
いいわけではありますが,確かに先生は忙しい…

そこで私は,現地素材の1つとして「新聞」を用いています。
新聞なら,毎日家で目を通します。
英語で書かれた新聞も,見出しくらいなら訳せます。
見出しを読んで,使えそうな記事を深く読む。
だから,苦になく毎日情報をチェックできるというわけです。

民族紛争による内戦が長く続くこの国では
内戦そのものも現地素材になります。

その長く続いた内戦も今年5月,終止符を打ちました。
連日報じられるニュース
これこそ現地素材です。

DSCF0178.JPG
DSCF0176.JPG
戦闘地域から民間人が大量脱出したことを知らせる記事

テロ組織であるLTTEとの戦い
スリランカ国内ではその時,政府軍が勝利を目前にし
戦勝ムードが漂っていました。

しかし,日頃からこれらのことについて考えていた子どもたち
彼らから返ってきた感想は違いました。

LTTEによるテロは,怖かったのでこれで決着がつくならうれしい。
でも,それで民間人が戦闘の巻き添えになるのは問題だ。

LTTEと政府軍の戦闘はやめてほしいと思った。民間人は
みんなが脱出できたわけではないので,一刻も早く安全に
戦闘地域から脱出させることを考えるべきだ。

やっとこのくだらない戦争が終わると思うとほっとする。
しかし,民間人を巻き込んだ終わり方は,あまりにも残酷すぎる。

民間人が大量脱出したという内容の記事についての意見ですが,
子どもたちの関心は,いまだに戦闘地域に残されている人々に向いていました。

英語で書かれた新聞ですが,
このようにして日頃から取り上げることで
子どもたちは,自分たちの周りで起こっている問題を
身近に考えることができます。

この現地素材という考え方を,ちょっとだけ拡大解釈すると
新聞だって,立派な現地素材になります。

日本国内でも,同じことが言えます。
特に地方紙の地域欄は使えます。

とりあえず目についたものからスクラップをしておくと
道徳や特別活動,総合的な学習の時間の
気軽に使える地域素材になりますよ。

手をかけて準備するのはもちろん大切です。
でも,それに億劫になって何もしないより
手軽に活用したほうが,子どもたちにとっては効果的です。

考え過ぎて立ち止まるのではなく
まずは,アクションを起こすことが大切です。
子どもは,待ってはくれません。

現地素材としての教材
新聞を見直してみませんか?

思考力育成の鍵

海外で暮らす子どもに,絶対的に必要なこと
それは,母語の保持・伸長です。

もちろん,英語の習得もとても大事なことです。
しかし,母語を学ぶことをおろそかにすると
その子は,思考力を失うことになります。
あなたは,考え事をするとき,どの言語を用いますか?

その時,頭の中に浮かぶ言葉,それは日本語です。

日本人でも,英語で思考をする人はいるでしょう。
当然,その人は,英語を細部にわたって学ぶべきです。

人は,日常用いる言語を使って思考します。
日本語で生活しているならば,きちんと日本語を学ぶべきです。
さもないと,この先の思考力の伸びは期待できないでしょう。

私は,理科の教員です。
御存じの通り,理科の授業における実験結果の考察は
日本語を用いておこないます。理科における思考活動も
言語習得の度合いに依存するところが大きいと言えます。
思考力の育成の鍵は,実は日本語の完璧な習得にあるのです。

海外で暮らす子どもにとって,これは忘れてはならないことです。
その子どもたちを教える我々教員も,そのことを肝に銘じておかなければなりません。

日本語を基礎からきちんと学習することの大切さ
分かっていただけたでしょうか…

常時活動,記事の読み取り(海外編)

前回,考えが持てないのは情報不足が
原因の一つであると述べた私

その情報不足を補うために
授業開始前の朝学活の時間を利用して
記事の読み取りをおこなっています。

日本でやっていたそれとあまり変わりませんが
海外の場合,なかなか新聞そのものが手に入りにくいということがあります。

そこで私は,新聞紙面ではなくインターネットを用いています。
以前,ここで紹介した「47NEWS」や「あらたにす」を利用して
その日のニュースを教員が選びます。
その後,記事のコピーペーストをおこない
ワークシートを作成します。
記事を見出しとともに載せシート下段にはリンク先のURLを記載します。
Microsoft Word - 熊日_赤ちゃんポスト_.docx_001.jpg
記事を読んで,分からない漢字や言葉
そして,記事の内容・意見を書かせます。

著作権の問題がありますが,教育活動ということで
これを毎日宿題として子どもたちに出しています。
1年間続けるとそれだけ多くの記事について考えたことになります。
このプリントはファイルしていくので,あとで読み返すこともできます。

翌日,この宿題のプリントに書かれた記事を,その日の日直が声に出して読みます。
声に出して読むことで,記事の持つ歯切れの良い文章のリズムを
知らず知らずのうちに身につけることができます。
P1040889.JPG
DSCF0172.JPG
それを聞いた子どもは,手をあげて内容・意見を発表し
最後に,再び日直が自分の意見を述べます。

生徒数が少ない,日本人学校だからこそできることかもしれませんが
国内に戻ってからも工夫して形を変えて続けたいと思います。

なぜなら,子どもたちにとても力がつくからです。
考える力・読み取る力
子どもたちの発表を聞きながら
「なるほど,そういった考えもあるのか」
と考えさせられる場面もあります。
初めは,表面的だった読み取りが
だんだん深読みするようになります。
それと同時に,それぞれの考えも深まるようです。

情報を与えれば与えるほど,子どもは伸びます。
例えば,豚インフルエンザ問題
私は,教室に豚インフルエンザに関するいくつかの記事を貼っておきました。
P1050232.JPG
当然,子どもはそれらを目にします。

そして,選んだ朝の活動の記事
その日選んだものは5月13日付の熊本日日新聞のコラム
そこには,豚インフルエンザ問題を通して
メディアの持つアクセルとブレーキの役割について書かれていました。
加熱する報道を危惧しつつ,慎重にペダルを踏み分けることの重要性を述べたコラムです。

以前から,加熱する数々の報道を教室の掲示板で目にしていた子どもは
このコラムの意味するところを,肌で感じることができたというわけです。

肝心なのは,教員がどのようなタイミングで
子どもたちに適切な情報をどのようにして渡していくか

教員は,いろんなものを子どもとつなぐ存在

子どもと子ども
子どもと親
子どもと未来
子どもと社会
子どもと情報

情報があふれる教室づくり
教育活動を目指したいと思います。

自分の考えをなぜ持てない?

自分の考えが言えない子どもが増えてきていると聞きます。
思考力が育っていない…
コミュニケーション能力が低下している…
自尊意識が少ない…などなど様々な原因が言われていますが
一つ大きなものを見落としているような気がします。

子どもをよく観察していて,ふと気づいたことがあります。
それは,興味のあることに関しては,自分の考えをしっかり話しているということ

ゲームの攻略法やテレビの話題など,友達同士で楽しく会話しています。
では,世間がいう「自分の考えを言えない子ども」って…

それは,自分の趣味以外の分野のことで,自分の考えを持てなくなったということでしょうか。
「考えを持つ」ということは
いろんなことについて自分の意見を述べることができるということです。
特定の狭い分野のみ語れるというのとは少し違います。

では,なぜ以前に比べて,こういったことになってしまったのか…

考えを持つためには,情報が必要です
何の情報も持たないことに関して「意見を述べろ」なんて言われても
一つも答えようがありません。

例えば,私がある特定のゲームについて語れと要求されたら
何も答えられずにたじろぐほかないでしょう。

ということは,昔に比べ,子どもたちの興味以外のものの情報が
子どもたちの周りから少なくなったということも
いわゆる「考えが持てない」原因になっているのかもしれません。

私が子どもの頃,新聞を広げて朝食をとる父親の姿がいたる家庭にありました。
決して行儀よくはありませんが,私は新聞を読む父親から大人への憧れを覚えました。

現在の家庭において,社会の情報を親子で共有することはあるのでしょうか。
ひょっとしたら,以前もなかったのかもしれませんが
少なくとも,社会情勢に関心を持つ親の姿に
大人への階段を意識し,わけがわからないまま
ニュースを見たり,新聞を読んだりする自分がいました。

さて,現代の子どもたちに
いかにして考える力を身につけさせるか。

家庭に対して,そういったことを促す一方で
我々教員が,教室の中でも出来ることがあります。
次回は,その実践について書きます。

スリランカの新聞各紙

今回は,実践を少し離れて
こちらの新聞を紹介することにします。

いわゆる日刊紙です。

これから紹介する7紙は,月曜から土曜までのものです。
日曜日には,日曜日用の新聞があります。

日本では,全国紙などで日曜版なるものが
通常のものに加わって入っていますが
こちらは,新聞紙自体が変わってしまいます。

ちなみに,私は日曜紙は購読していません。
中には,日曜紙のみを購読している人もいます。
(日曜紙については後日紹介しますね)

さて,月曜から土曜まで発刊されている日刊紙
これらは,各社のメイン紙ということになります。
1つの新聞社で,複数の新聞を持っているスリランカ
新聞社を訪問した際にも,彼らはこれらの新聞を
メインペーパーと表現していました。

それでは,メイン紙の7つを紹介します。
まずは民間会社が発刊する
「ラクビマ」
P1040839.JPG
スマティー ペーパー コーポレーションという会社です。
シンハラ語で書かれています。

次は,私が家庭で購読している
「デイリー・ミラー」
P1040837.JPG
ビジェミ ニュース コーポレーションという民間会社です。
英字新聞で,40%ぐらいの記者が,政府系で
現政権寄りの記事を書くそうです。

「ランカ・ディーパ」
P1040840.JPG
デイリー・ミラー と同じくビジェミ ニュース コーポレーション
という民間会社が発刊しています。
デイリー・ミラー のシンハラ語版です。
記者が若干デイリー・ミラーと異なりますので
掲載されている記事がすべて同じというわけではありません。
もちろん,同じ写真同じ内容の記事もあります。

これも民間会社が,発刊しています。名前は
「アイランド」
P1040833.JPG
ウパーリ ニュースペーパー コーポレーション という会社です。
この会社,民間会社ですが,政府がスポンサーになっています。
ゆえに,どちらかというと政府よりの新聞であると言えます。

そしてアイランドのシンハラ版
「ディバイナ」
P1040836.JPG

デイリー・ミラーとアインランド,そしてデイリー・ニュースの3紙は
それぞれシンハラ語版を出しています。
というより,英字版を出していると言った方が,適切かも知れません。

そして最後は
「デイリー・ニュース」
P1040838.JPG
Sri Lanka's National Newspaper
つまり国営紙です。社会主義国ならではですね。
1918年に発刊され,古い歴史を持つ新聞です。
政府系の新聞で,政権が別の政党に移ると
経営陣やスタッフまで入れ替わるという新聞社です。
基本的に他の新聞社も,そういった要素を持っていますが
この新聞社は,もっともその影響を受ける会社でしょう。

そして,そのシンハラ語版の
「ディナミナ」
P1040841.JPG
こちらはなんと1909年発刊です。

1909年といったら伊藤博文がハルピンで暗殺された年です。
意外にも,古い歴史を持つ新聞が,スリランカにもあるんですね。
1909年,スリランカはというと
1948年にイギリスより独立を果たしていますので
その頃は,まだ1796年に始まったイギリスの
植民地時代だったことになります。

余談ですが1942年には日本軍が,コロンボとトリンコマリー爆撃しました。

爆撃の記事は,このデイリー・ニュースとディナミナには
おそらく載ったことでしょう。

ちなみに創刊という視点でみると
朝日新聞1879年
読売新聞1874年
毎日新聞1872年

日本での新聞の起源はかわら版?
スリランカは,どうっだたのでしょう?
現在,存在する新聞社は,いずれも
イギリスが持ち込んだ新聞文化ということになります。

イギリス統治以前は,ポルトガル,
その後オランダの植民地であったこの国ですが

スリランカの昔のメディアについて調べてみるのも
面白いかも知れませんね。


イベント日に活きるコラム

イベント日のコラムの活用法

コラムや社説は,ニュース記事と違い
記者の「意見」が書かれています。

伝達文と異なり
最後まで読まないと意味が分からないコラム文

そこに目をつけ日本人学校でも,
その読み取りを朝のNIE活動の中で
時折おこなっています。

1面の下にあるコラムは,ある意味新聞の顔
顔でなければ,1面にはないはず
だからこそ,その読み取りは意味があると思います。


今日は,「こどもの日」
こういったイベント日
新聞各社のコラムは,同じ題材になりがちです

そこが面白い!! と同時に実践の狙い目です!
読み比べもできるし
そこから,たくさんの問題を見つけだすことができます。

こぞってコラムの中で現代社会に対して
問題提起をおこなう新聞社

少子化,虐待,携帯電話,学力低下…

こどもの日の特集は,使えます!

なぜなら,子どもたちにとって身近で,なにより
自分たちに関わる問題だからです。

だから,意見を抱くことが,他に比べて容易です。

意見を持ち発信する。
そういった意味を込めて

~記者になり,「子どもの日」コラムを作ろう~という実践を行います。
(実践の様子は,後日報告しますね)


ということで,まずは手本となる「こどもの日」のコラムから
自分たちに起こっている社会的問題について考えます。


たくさんの新聞社のコラムを集めるには…???


ここで利用価値が高いのが,ネット記事です!

まさにメディアベストミックス
スリランカでは,簡単に日本の新聞は手に入りません。
学校で購入はしているものの非常に高価で
複数の新聞社を購読するなど,夢のまた夢です・・・
そこで私は,複数の新聞サイトを利用しています。

まずは,このブログが紹介されている「47ニュース」
http://www.47news.jp/このサイトはかなり使えます。
画面左側に,コラム一覧があり
全国の加盟新聞社のコラムを見ることができます。
47ニュース.jpg


ちなみに,今回私が,「こどもの日」にちなんで
集めたコラムは19個
秋田魁新報/デーリー東北/神戸新聞/山陽新聞
佐賀新聞/琉球新報/沖縄タイムス/神奈川新聞
山梨日日新聞/信濃毎日新聞/中日新聞
伊勢新聞/岐阜新聞/北日本新聞/徳島新聞
高知新聞/河北新報/東奥日報/紀伊民報

これだけ集まれば,子ども達を取り巻く社会問題も
いろいろと見えてきます。

その他,利用しているサイトは「あらたにす」
http://allatanys.jp/index.html
朝日,日経,読売の3つの全国紙の一面記事とコラムを
紹介してくれます。
あらたにす.jpg

その他,iGoogleのニュースタブを利用して
ニュースを一目で見れるようにしています。
Microsoft Word - 文書 2_001.jpg

実際の紙面相手には,
これだけの情報を集めることはできません…

ネットならではですね。

日本人学校でのNIEは,
実際の新聞を用いることもありますが

このネット記事も重宝しています。


NIEの実践の難しさを
「新聞が学校に1つしかない…」
なんて言う人がいます

しかし,これは理由になりませんね。
海外でも,NIEの実践
国内同様,なんの不自由もなくできます。

次に私が狙っているのは,「終戦記念日」
内戦が長く続いているスリランカで
平和学習をおこなうことは,大変意味のあることです。

「終戦記念日」
みなさんも,各社のコラムを集めてみませんか
きっと実践の糸口が見つかると思いますよ。

メディアベストミックス

スリランカでは国民のほとんどが新聞に目を通します。
Rs.20(約20円)という安さが魅力で
主な情報の入手経路となっています。

各紙,女性版や子ども版を持っています。

「日本にはないの?」
「女性向けには,カレーの作り方や
服の縫い方の特集なんかがあるんだよ」

確かに,日本にもあることはありますが
こちらの国のものと比べると,あまり人気がないようです。

なぜ,人気がないか?
簡単です。専門雑誌等があるからです。

専門雑誌の特化した情報量の多さには,新聞は敵いません。


しかし,スリランカでは
一般国民にとってみると,雑誌類は高価で,
なかなか手が出にくいものです。

その点,新聞は安い

これが,女性版や子ども版の新聞が
この国で受け入れられている大きな理由です。

日本では,新聞の購読率がどんどん減ってきていると聞きます。
情報は,ネットで仕入れるので十分
携帯電話からも容易に入手することができます。

スリランカでは,新聞は,まだまだ
テレビやラジオと並び,元気があるメディアです。

しかし,この国もインターネットの普及とともに
その状況が,変わっていくかもしれません。
変化のスピードは遅いものの,時代の流れには逆らえないのでしょうか。
実際,携帯のSMS(ショートメールサービス)によって
ニュースを手に入れている人は,たくさんいます。

スピードが遅いのは,貧富の差によるものと考えます。
つまり,インターネット環境の普及には,コストがかかり
一般国民にとっては,手が届きにくい。
このことが,一因のような気がします。

では,やはり新聞文化は,今後世界的に廃れていいのか?

私は,そのことを大きく危惧しています。

インターネット社会のニュース配信方式だけでは
メディアによるミスリードを許してしまい
個々の人々の思考が奪われる危険性があります。
以下でそれを説明します。

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図のように,ネットメディアから配信されるニュース
サーチエンジンのトップ画面で出てくるニュースも
それぞれのメディアが選んだものです。
いろいろな種類のメディアからの情報を集めても
出所が異なるだけで,内容についてはあまり変わらず
自然に,思考が誘導されてしまうことが考えられます。

メディアが,情報を発信するとき一番に考えるのは
その情報のニュース性

そして,そのニュース性を決定しているのは
我々,大衆ということになります。

「納豆ダイエット」のようなブームが
なぜ,起きたのか考えて見てください。

ああいった種類の情報を欲したのは,
我々の方だったのかもしれません。

あの時,「おかしい・・・」と感じた人は
ほとんどいなかったと思います。

無意識化で欲する情報しか得ない場合の危険性がそこにあります。


では,新聞はどうでしょう…

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一番の違いは情報量だと思います。
それゆえに,時間を割かれます。
それが原因で,最近では敬遠されがちです。
ネットでのニュースは,検索をかけるついでに見れますが
新聞は,なかなか「ついでに」は,読めません。

強いて挙げるならば
「トイレのついで」でしょうか(笑)


新聞記事とてメディアが選んだ情報
メディアのミスリードは,大いに考えられます。

実際,スリランカメディアの課題もそこにあると思います。
しかし,他のメディアに比べそれらの危険性が少ないのが新聞です。

新聞には1日に100近くの記事が載ってきます。
(スリランカの新聞は,全部で14ページくらいです)
見出しを入口にして,普段全く興味を持たなかった記事
目に飛び込んでくる場合があります。

もちろん,ネットにも「関連記事」の項目があります。
しかし,あくまでもそれらは「関連記事」なのです。

新しい記事との出会いは
新聞紙面に多く見られると私は思います。

さて,もう一度図を見てください。

2つの図の中にある矢印

メインとなるものが異なります。
ネットでの実線矢印は,メディアが発信するもの
新聞での破線矢印は,受信者自ら入手するもの
上はどちらかというと「受動型」と言えるでしょう。


能動型情報収集の術が,私たちには必要です。

では,新聞が一番最高か?
答えは「NO」です。

それぞれのメディアには得手不得手があります。
私が,ここで述べたいのは,
新聞は,ネットの出現で,
不必要になるものではないということです。

新聞には,新聞にしかできないことがあります。
ネットやテレビが普及する前,人々は,新聞に頼らざるを得ませんでした。
新聞から情報を入手することの見えざる効果に,
気づいていない人もいたかもしれません。

新聞が,この世の中から無くなったとき
失ったものの大きさに気づくことでしょう。

結論
メディアの種類が違うのだから,淘汰し合うのではなく
それぞれが足らないところを補うことで共存して
メディア界全体が,大きく成長していかなければならない。
共に存在することが,大事というわけです。

すなわち メディア版
ベストミックスです。

そういう時代だからこそ,メディアの乗りこなし方を
次の世界をつくる,子ども達に教えていかなければならない。

メディアリテラシー

私がNIEを実践する理由の1つです。

常時活動,記事の読み取り(国内編)

新聞記事の読み取り
おそらく,どなたも一度はやられたことがある活動かもしれません。

しかし,この活動,ばかにしてはいけません・・・
毎日おこなううちに確実に力がついてきます。

私が,国内でおこなっていたのは
帰りの学活で教員が,次の日の日直の子に記事を渡し
次の日の朝学活で,自らの意見を発表するというものでした。

翌朝読む記事は日直だけに渡します。ゆえに
他の子どもは記事の聞き取りということになります。

ある日のこと,私は「民家の火事の記事」を選びました。
翌日の日直の発表
記事の内容は,ろうそくで生活していて火事になり
子どもが被害を受けたというものというもの

意見交換の場で,たくさんの子どもたちの考えが行き交います。

「火事は危ないから,気をつけなければいけない」
「かわいそう」

そんな中

「なんで,ろうそくで生活してたのだろう?」
「親は,働いてなかったのか?」

「親は,きちんと子どもの面倒を見る義務がある」

など,記事の裏側にあるものへ関心が向けられてきました。
記事には,ただ火事の事実のみが書いてありました。

しかし,この出来事が記事(ニュース)になったからには理由があります
ひょっとしたら,この記事の書き手(記者)は,事実を書くことを通して
世間に何か,訴えたかったのかもしれません。

朝や帰りの会で行う記事の読み取りは,
そういった記者の声に耳を傾ける時間です。

国内では,手軽に手に入れることができる新聞
手渡す記事を見つけるのも簡単です。

しかし,ここは海外,学校で新聞を1社購読しているものの
情報量としては非常に少ない・・・

国内では,同僚に古新聞を学校に持ってきてもらっていた私
同じ活動をするには,工夫が必要です。

できることをするのではなく
しなければいけないこと
したいことをできるようには
どのようにしたらよいかを考える

教員に足らない発想だと,どこかで聞いたことがあります。


次回は,私が考えた,海外で記事の読み取り活動を
毎日おこなう方法をアップします。


常時活動,記事の読み取り(海外編)へと続く

説明文を意識する

本校では,読書活動を推進しています。

海外で暮らす子ども達は,本が大好き
特にスリランカでは,日本の本を手に入れることはできません。
図書室が,宝の山に見えることでしょう。
読書量についても,国内に比べ,多いような気がします。
年間1万ページ読破を目標に,小学部から中学部まで本をよく読みます。

しかし…
うがった見方をすれば,娯楽の少なさも関係しているかもしれません。

「それでも いいじゃない! 結果的にはたくさん読んでるんだから!」

しかし,ここに少し問題があります。
子ども達が,読んでいる本の種類です。

読書活動を柱に教育活動をされている学校は
一度,冊数よりも種類について調べてみられたがよいかもしれません。

子ども達は,物語を好みます。ファンタジーや恋愛もの
別に,それらを批判しているわけではありません。
想像力を身につけるには,それらの読み物も大切ですし
何よりも,本を読むことは,人を豊かにします。

しかし,中学生には,それだけでは足りません・・・

文には,大きく分けて物語文と説明文の2つがあります。

では,私たちの生活を取り巻く文章は,どちらのタイプでしょう?
電化製品を買ったときについてくるマニュアル
講演を聞きに行った時の,話の構成
はたまた,先生が授業で用いる文章

実は,これらはすべて説明文です。

そうです。説明文が分からなければ
理解ができないということになります。

実は,物語などの読解力は子ども達は非常に高いのです。
それが証拠に,授業において物語を自分で作るといった作業は
昔と比べ,とても上手になっています。

情報過多の時代
子ども達が,身につけなければならない能力は
説明文の読解力です。

では,どのようにしたらそれらの読解力が身につくか

簡単です。
説明文をたくさん読むこと
そして,説明文の構造について理解すること。

その点,新聞は非常に有効です。
毎日,100近くの伝達文に目を通すことができます。

コロンボ日本人学校では,中学生を対象に
新聞読書に取り組んでいます。
週1度,子ども達は朝の時間に新聞と向き合います。
好きな記事をスクラップしたり,中身について友達と自由に話したり
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とても楽しそうに,その時間を過ごします。

まずは,親しむ

そういった環境を大人たちが意識してつくってあげなければいけませんね。

記事の読み解き ~真実とは???(実践編)~

5W1Hという話はよく聞きますね。
新聞記事というのは,報道記事ですので
この5W1Hを見つけやすい構造になっています。

イギリスの作家キップリングは,詩の一節で次のように書いています。
I keep six honest serving-men.
They taught me all I knew.
Their names are What and Why and When And How and Where and Who.

何が?
なぜ?
いつ?
どのようにして?
どこで?
だれが?

順序としては特にないようです。
しかし,順番を入れ替えることで効果的な文になります。
報道文は5W1Hを必ず意識して書いてあります。
なぜなら,ニュースを正確に伝えるための基本と言われているからです。
私たちが,伝達文を書こうとするときも必ずこの5つは意識すべきものです。

といっても
今回は,文の作成ではなく読み取りです。

日本の新聞の記事から5W1Hを抜き出してみました。

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今回扱った記事は
一面,社会面,コラム面
それぞれの紙面から5W1Hを抜き出しました。
一面記事は,非常に情報量が多い。
関連記事もたくさんあります。
まずは一面記事で慣れ
その後,社会面へ

伝達文との違いを理解するため
コラム面にも目を通し,それらの記事を最後に扱いました。

スリランカのメディア事情について以前ここで述べましたが
真実を掴むことの大切さを,日本人学校の子どもは肌で感じています。

では,どうしたら記事の裏側に目が行くか?

私は,ここでマンダラアートを用いました。

マンダラアート記事分析.xlsx_001.jpg

図中のマスをすべて埋めるよう努力します。
ここでの「 Whom 」と「 How much 」は付け足しです。
これにこだわらず疑問に思ったことがあれば,そこに書いてもかまいません。

とりあえず,マンダラアートのすべてのマスを埋めようと努力する子ども

そこで子どもが気づきます。

「先生! 書けない項目があります!!」
そうなんです。項目を埋めようとして記事からピックアップするものの
明確に書けないものが出てきます。

それこそ,その記事の作者
すなわち,記者が詳しく書けなかったことというわけです。

子どもの疑問はさらに広がります。

「どうして きちんと書けなかったのだろう?」

その疑問こそが,真実を見極めていく鍵になるような気がします。

この取り組みを,週刊誌の記事でおこなったらおもしろいかもしれません。
以前国内で,同じ内容の記事を新聞と週刊誌と比べて扱ったことがあります。

そのとき子ども達が気づいたのは,週刊誌に見られる修飾語の多さ
5W1Hには,修飾語は入りません。

書かれた内容の深い読み取りは,基本の5W1Hの中にあったということです。

真実とは???

実践編に入る前に,なぜこのような取り組みが必要かという話をしなければいけません。

前回,スリランカのメディアの信ぴょう性について語った私ですが・・・
そもそも信ぴょう性とは,どういったものを指すのでしょう?

政府によるメディアコントロールに言及した私ですが
そのネタ元は,何だと思いますか?

ひとつは,Dairy Mirror というこちらの新聞に載っていた
世界の国で報道の自由がない国リストの記事
そして,もう一つは噂です・・・
つまり,こちらで世間一般で言われていることを
さも真実かのように載せました。

この点については,いささか反省しております。


情報は,誰にでも扱いやすいものゆえに
非常に危険なものであるともいえます。

知らないことが怖いのではなく
知らないということを知らないことが問題である。
さらに悪いのは,知らないのにすべてを知っていると勘違いをしていることである。
この点が,我々教員がメディアリテラシーの授業を大切にしなければならない
大きな理由であると私は思います。

スリランカと日本の新聞を比べたとき
どちらの方が信頼できるかという問い

実は,これについても明確な答えは出ません。
なぜなら,調べようがないのです。

そういったとき,結局頼りになるのは
自らが持つ,バランス感覚です。

「あれぇ? 何か変だぞ・・・」
という気づきは,どのようにしたら手に入れることができるのでしょう。

私は,常日頃からの情報収集の努力しか無いのではないかと考えています。
偏らず,日常的に新聞やテレビやインターネットから幅広く情報を得ているとすれば
何かおかしな報道がなされたときに

「そんなはずはないはず!」

といった気づきが生まれるのだと思います。

情報を貯めて,時に見返して確認するといった作業をすれば
より感覚が研ぎ澄まされることでしょう。

そう考えると,信ぴょう性の部分でいけば,すぐに書き換えられるネットより
文章として世に出てしまったら回収ができない新聞の方が信頼できるものかも知れません。

では,雑誌と新聞紙では??

同じ,文字として残るもの・・・
結局ここでも答えが出ないようです。

見極める目,読みこなす力
これらが,情報の受け取り手に要求されます。

現在のメディアは,手に入れやすくなった分
受信者の力が問われるようになったと言えます。


次の社会を作る人間を育てる,教員という仕事
我々教員がそのことを深く認識し
メディアの乗りこなし方を,子どもたちに教えなければいけません。

さて,次回はいよいよその見分け方
読み解き方についての実践編です。



「真実とは???(実践編)」に続く
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